地域警察プロジェクト フェーズII(2021~2026年)

2016年から開始した警察人材育成プロジェクトでは、コミュニティとの関係構築や防犯活動に積極的に取り組んだ結果、プロジェクト対象地域の殺人件数低下や、住民からの通報件数増加、警察官に対するイメージ改善などが成果として発現しました。

日本式の地域警察が地球の裏側に位置するグアテマラの治安改善にも貢献できることが証明された今、JICAの次なるミッションはこれまでの成果をグアテマラ国内のより多くの地域に普及させることです。グアテマラ国内で発生する犯罪の約半数は首都圏で起こっていることから、約250万人の人口を抱える首都圏13市を対象とし、その管轄区に配属されている55分署の警察官約2,500名の人材育成を開始しました。また、グアテマラ国家文民警察(PNC)の全ての教育カリキュラムにおいて、前フェーズで開発した教材ガイド7種を使用した「地域警察」の単位を組み込み、警察学校に入校した警察官の卵から、上級幹部養成課程の警察幹部までがその概念を徹底的に学び実践に繋げられるような仕組みづくりを目指します。

試験的に実施された前フェーズとは異なり、フェーズIIでは対象地域が10倍以上に拡大し、目指すゴールも非常に野心的なものになりました。5年間という限られた期間の中で、どこまで警察官自身に『地域警察』のメリットを理解・実践してもらえるかが、大きな鍵となります。地域警察の概念やその活動が浸透すれば、自然と住民から警察官に対する信頼度が上昇し、イメージ向上にも繋がり、その副産物として治安改善という誰もが待ち望む成果が現れるでしょう。

JICAは警察官の能力研修実施の他にも、現場の警察官の業務改善のためのバイク車両200台や、パソコン機材やオフィス家具などの供与を通して支援を行っています。
また、PNC協力のもと、プロジェクト紹介のビデオを作成しました。動画は、こちらから、ご覧いただけます。

このプロジェクトを支えるメンバー紹介はこちらから。

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バイク供与式(2021年8月)

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地域警察研修(2021年6月)