移民送金を通じた金融包摂推進アドバイザー(2021年~2024年)

1.背景及び概要

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2022年7月より、「移民送金を通じた金融包摂推進アドバイザー」事業が開始されました。この事業は、協同組合庁(INACOP)と共に進められており、現地では愛称の「GuateCreceプロジェクト」で呼ばれています。愛称のCreceはスペイン語で「成長」を意味し、Crear con REmesa familiar, Cultura de ahorro y Emprendimiento(家族送金、貯蓄習慣、起業を通じた成長)の頭文字からつけられました。

国内の経済機会が限定される中、多くのグアテマラ人が米国等に移民しています。米国に渡った移民は、国内に残された家族に送金を行っており、その総額は、グアテマラGDPの15%程度に相当します。この巨額資金を活かして、グアテマラ国内の経済機会を増やし、持続的成長につなげることを目的として、この事業が進められています。

具体的目標として、国際送金資金の地域生産・経済活動への活用推進に向けて、信用組合等の金融・非金融サービスの強化を図ることを掲げています。信用組合等の協同組織は、地域に根差したコミュニティ金融機関であるため、地域経済活動推進役として適しているからです。この事業では、信用組合等の強化に向けて、(1)オンライン研修、(2)実地研修、(3)コンサルティングという3つの手順で、技術支援を進めます。

2.オンライン研修の実施

GuateCreceプロジェクトは3つのステップからなっています。最初のステップであるオンライン研修は、2022年10月に実施されました。53協同組合が参加しました。この数は、全国信用組合数の1割以上が参加したことになります(休眠組合を含まない)。オンライン研修内容は、(1)組合員の経済・金融活動強化、(2)協同組合の機能・事業運営の2モジュール構成としました。

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オンライン研修イメージ

3.協同組合向け実地研修、コンサルティングの実施

第二のステップは、協同組合向けの技術支援です。以下の内容で実施されます。

  • 組合員向けの金融教育及び事業開発研修の提供
  • 信用組合等の渉外職員等に対する金融業務オペレーションに関わる研修の提供
  • 信用組合等の経営管理者向け金融サービス拡充や事業運営管理のコンサルティング

第三のステップとして、上記研修を受けた組合を所管するINACOPに対するコンサルティングを実施します。

4.今後の展望

GuateCreceプロジェクトは、一過性の研修事業とはならぬように、自立発展的な活動・効果の発現を目指します。そのために、INACOPの調整の下、複数の信用組合連合会、政府機関、市自治体、国際・外国協力機関とも連携します。特に、信用組合連合会とは密接な活動調整を進めます。

今後、この事業では、(1)組合員の貯蓄増加と生産活動活発化、(2)参加組合の預金集め及び事業性融資増加等の効果を見込んでいます。

ぜひこのプロジェクトのFacebookページ(スペイン語)もフォローしてアップデートをご確認ください。

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日本人専門家による組合員への金融教育