祝辞の挨拶 山口尚孝所長

“グアテマラにおける海外協力隊派遣30周年記念”

(スペイン語による挨拶の抄訳)

本日お越し下さいましたご来賓の皆様、(グアテマラ共和国副大統領 セサル・ギジェルモ・カスティージョ・レイエス氏、著名な公衆衛生社会福祉大臣、ウーゴ・モンロイ・レイエス氏、在グアテマラ日本国大使閣下 山本毅様、著名な 大統領府企画庁 ケイラ・グラマホ・ヴィルチェス長官
私ども共に歩んでくださっている する大臣及び副大臣、そして長官・副長官の皆様、外交官、国際協力関係者の皆様、親愛なる海外協力隊員の皆様、ボランティアのカウンターパート機関代表者の皆様)

おはようございます。本日は、私たち国際協力機構(JICA)の一員にとって、そして私たちの大切な海外協力員の方々にとって、とても特別な日です。
彼らは、この美しい国立文化宮殿にいるという特権にいつも浴しているわけではありません。この国立文化宮殿は、多くの大統領が通り過ぎ、この国の歴史を象徴する出来事の無数の記憶があります。
初の海外協力隊員は30年前に到着しました。今日まで、グアテマラの人々と協働し、農村部でもコミュニティの発展を促進してきた800名の海外協力隊の経験、知識、優れた実践を誇りに思います。
グアテマラの方々の善意なしではこの30周年という期間、海外協力隊が貢献し続けることは不可能だったでしょう。海外協力隊員の皆さんにとって、共に活動をする彼らの協力は任務を遂行させるうえで重要な要素でした。

この海外協力隊事業において、3つのことに言及したいと思います。
1つ目に、海外協力隊事業は、一方的にグアテマラの人に物を与えるものではなく、カウンターパートの人々と普段の活動を共にすることで知識や技術そして日本人の規律さえも伝えるプログラムです。それがまさにこのプログラムが人々に刺激を与え行動を変化させます。
2つ目の側面は、海外協力隊事業はボランティア自身の学び、成長を深める過程です。私はこの事業への志願者の方々が彼らの夢を何年も何年も築き上げ、JICA海外協力隊員として選出されるために専門的知識と経験を得るよう準備しているということを知っていただけたら幸いです。彼らは日本とは言語、文化そして慣習が全く異なるグアテマラに到着し、それに適応しなければなりません。このように、この事業は日本人に対して日本の外側である別の世界を知る機会と専門的及び人間的な成長機会を提供しています。
3つ目の側面は、海外協力隊派遣事業は文化交流や友好関係を促します。私は自信をもってこの事業がグアテマラと日本の架け橋になっていると言う事ができます。海外協力隊OVはグアテマラから日本へ、もしくは世界においてグアテマラ通、グアテマラを伝える大使もしくはグアテマラの伝道者です。彼らはグアテマラでの素晴らしい思い出と友情を日本へ持ち帰ります。涙なしには語れない別れが数えきれないほどあったでしょう。何人かの海外協力隊員の方々は派遣期間終了後もグアテマラに残っています。例えば、バジェ大学昆虫学教室で研究をされている吉本治一郎さんは、本日マリンバの演奏をされています。もしくは内河友規さんのようにラテンアメリカの経済開発の専門家として働き続けている方もいらっしゃいます。また、なかにはグアテマラの方とご結婚されてこの国の発展への貢献を続けられている方もいらっしゃいます。

ギジェルモ・カスティージョ副大統領自身がこの海外協力隊事業の証人です。実は、彼はかつてバスケットボールの海外協力隊の生徒の一人でした。その後、彼がINTECAP(職業訓練所)で総裁を務められていた際、産業技術や職業訓練の海外協力隊を多数受け入れていたこともありました。
私はぜひこの素敵なプログラムを続けてまいりたいと思います。そしてJICAは信頼できる社会を作るため、よりいっそうの結びつきを強めるようグアテマラ社会と活動し続けます。

この機会を利用して、私はそれぞれの海外協力隊員が任地で行われている大変魅力的な活動と努力に、そして、私たちをやさしく迎えてくださるグアテマラの皆様に感謝いたします。

ありがとうございました。

2020年2月7日