ハイチJICAチェアオンライン講義開催

2021年5月11日

去る2021年4月28日に、ハイチで初めてとなる「JICAチェアオンラインセミナー」がエルフ=モノド・オノラ駐日ハイチ大使の積極的な働きかけにより、同大使の出身大学であるハイチ国立大学・計画技術・応用経済学学院(以下CTPEA)の学生向けに開催されました。

オンライン講義にはCTPEA学院長、駐日ハイチ大使、在ハイチ日本国大使、約45名のCTPEA学生、JICA関係者を含む約100名が遠隔講義を視聴しました。ハイチは、停電も頻繁に起きる為インターネット環境が不安定で、学生たちはネット環境や発電機等も完備されている首都のホテル会議室に集合し参加しました。

今回のJICAチェアオンラインセミナーは「ラテンアメリカとカリブの発展」をテーマに、日本の経験と国際協力に関する講演を行っていただきました。講師は、ラテンアメリカの経済開発等がご専門で、駐エルサルバドル大使等歴任されたJICA緒方平和開発研究所の細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザーが担当され、日本の経済発展の経験に基づいた開発研究と他国の開発経験を比較することの重要性や、日本での経済活動組織化の為の5つの手法である"カイゼン"についてもわかりやすく解説いただき、CTPEA学生からは、次回は詳細に説明を聞きたいと大変好評でした。

また、日本の神戸大学で経済理論・分析学博士号を取得したオノラ駐日ハイチ大使からは、日本での経験についてお話をいただき、学生からの質問に対しては、「皆さんは、狭い殻に閉じこもらずに大きな視野を持ち、積極的に海外で勉強する機会を持って欲しい。」と答えられていました。

中南米カリブ地域で唯一仏語が公用語であるハイチは、その文化や生活様式、経済状況は近隣諸国とは少し違った特徴を有しており、多くの開発課題を抱える一方、農業国である利点を生かし、基礎的インフラの整備やフードバリューチェーン構築等の分野で人材育成を行うことで、社会・経済開発を実現させるポテンシャルを有していると言えます。今回JICAチェア事業による遠隔講義開催を通じて、日本の開発経験への理解が促進し、将来的にハイチの開発を担うリーダーが育成されるよう、協力を継続してまいります。

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ハイチ国立大学・計画技術・応用経済学学院(CTPEA)学院長挨拶

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ハイチ大学学生が集合したセミナー会場の様子

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セミナー会場の様子

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エルフ=モノド・オノラ駐日ハイチ大使の日本経験発表

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ホテル会場に集合した学生