職業訓練管理強化プロジェクト

背景と目的

「第4次国家開発計画(2005〜2009年)」においてイラン政府は「資源依存型の国家経済から脱却し、知識ベースの経済成長を遂げる」ことを謳い、国際標準に適う産業人材の育成を政策課題として掲げています。その一方同国では人口多数を占める若年層の失業が深刻であるため、労働社会問題省傘下「職業訓練企画庁(TVTO)」は、労働市場ニーズにマッチした就労機会創出にも効果のある職業訓練メカニズムの確立を求められています。こうした背景を受け、本プロジェクト(2008年12月〜2010年12月)はCompetency Based Training(CBT)アプローチを援用した新規訓練コースの試行実施を通し、同庁の訓練マネジメント能力向上を目的としています。

  • R/D調印日:2007年4月21日
  • 実施機関:技術職業訓練庁(労働社会問題省)

事業概要

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本プロジェクトでは労働市場ニーズに合致した職業訓練運営を強化にあたって、プロジェクトチームはCBTアプローチ導入の先進国である、オーストラリアの専門家も加えた国際チームを結成しています。プロジェクトで掲げる4つの成果タスク(「訓練ニーズ評価・分析」「訓練基準・カリキュラム」「訓練モニタリング・評価」そして「職業訓練管理」)について、各タスク毎にプロジェクト専門家とTVTO職員を配置しています。

活動内容として、初めに実施機関による現行の職業訓練実施体制を精査し、イランの労働市場ニーズに適った職業訓練とはどのようなものか、オーストラリアのCBTアプローチを参照しながら検討していきます。同時に試行実施する新規訓練コースを実際に企画運営するための、テストセンターや科目を決定します。

新規コースの試行実施にあたっては、各タスクについて手順案を示し、具体的に試行したうえで、マニュアルないしTVTO全体の職業訓練運営改善計画として完成させます。ニーズ調査から評価に至る全過程において協議やWSを行い、イラン職業訓練の実情に適した技術移転を目指します。なお初回パイロット訓練コースは2009年秋頃、テヘラン市内にある「第4訓練センター」において「雇用適性」と「自動車整備」の分野で実施予定です。イラン全国に600近い訓練センターを有するTVTOは、このパイロット訓練コース実施経験に基づいた全体運営改善計画を策定し、TVTO事業改善への提言となります。

プロジェクト事務所連絡先:
労働社会問題省職業訓練庁(Vocational Training and Training Organization(TVTO), Ministry of Labor and Social Affairs (MOLSA) )
TVTO, On the Corner of the Khosh Street, Azadi Street, Tehran
電話(国番号+98) (0)21-6642-7692