イランの医療関係者へ日本のCOVID-19対策の知見を打ち込み!イラン保健・医科教育省向けコロナ対策ウェビナーを実施

2020年12月3日

概要

セミナー名

イラン保健医科教育省セミナー
第1回「コロナ禍における病院マネジメント」
第2回「コロナ禍における非感染症治療の継続」

主催

独立行政法人国際協力機構(JICA)、イラン保健医科教育省

場所

オンライン

講師

慶応義塾大学医療政策・管理学教室 坂元 晴香 特任助教

イラン側参加者

保健・医科教育省 運営開発センター・行政改革局 マレキ・モハンマドレザー 局長
保健・医科教育省 非感染症局 オストヴァール・アフシン 局長
保健・医科教育省 非感染症局 モギシ・アリレザ 副局長 (第1回モデレータ)
保健・医科教育省 国際局 ナエリ・じゃらる 副局長
テヘラン大学医学部 セダガット・モタバ 准教授 (第2回モデレータ)
イラン全土の基幹病院病院長 計102名
イラン全土の医科大学の非感染症治療専門家 57名

内容

イランは、総感染者数、人口当たり死者数において中東で最悪規模のCOVID-19感染状況となっています(11月6日現在)。感染拡大を抑止するうえで、特に院内感染による感染拡大が問題になっています。また、ガンや生活習慣病などといった非感染症の治療についても、COVID-19治療のため医療リソースの適切な分配に課題を抱える一方、患者自身も受診を躊躇することで治療が困難になっていることも問題になっています。このような問題に対処するにあたり、イラン政府からJICAに対して、日本のコロナ対策の知見を学ぶセミナー開催の要請があがりました。
セミナーは、厚生労働省やWHOでの勤務経験もあり医療政策に精通されている一方、コロナ禍において日本国内の病院運営のアドバイザーとしてもご活躍され、イランご在住の経験もある慶応義塾大学の坂元晴香先生を講師として迎え開催されました。「クラスター対策」や「3密の回避」といった日本の基本的な戦略から、保健所の機能、地域内での病院間の役割分担といった地域内の戦略、ゾーニングや遠隔診療等の各病院での対策など、政策面から現場の病院の運営面まで、具体的な事例を用いてわかりやすく講義いただきました。
イラン側医療関係者からは、「病院スタッフに感染対策を徹底させるにはどのような工夫が必要か?」「ガンの経過観察で遠隔診療をどのように活用するべきか」など活発な質問がなされました。
セミナー後、保健省幹部から「イランでも早速活用したい様々な知見を得ることができた。特に、地域における保健所の存在など、日本とイランの保健医療システムには似ているところもあり、イランには日本の知見を活かす基盤があると考えている。ニーズに適正に対応した日本の支援に感謝する。」という発言がありました。
JICAは今後とも、イランに拠点を置く唯一の二国間ドナーとして、人道分野に関するイランへの国際協力を続けていきます。

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集合写真(中央モニター:坂元先生、中央右:イラン保健・医科教育省ナエリ国際局次長、中央左:JICAイラン事務所東所長)

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オンライン研修の様子

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イラン保健・医科教育省幹部からの挨拶(左:ナエリ国際局次長、マレキ運営開発センター・行政改革局長)