「洪水に脆弱な地域における効率的な洪水管理のための能力開発」(Capacity Development for Effective Flood Management in Flood Prone Area)

  • 種別: 技術協力プロジェクト
  • 案件名:洪水に脆弱な地域における効率的な洪水管理のための能力開発プロジェクト(Capacity Development for Effective Flood Management in Flood Prone Area)
  • 実施地域:Lower Gucha Migoriサブ流域、Ewaso Ngiroサブ流域、Lower Lumi サブ流域
  • 協力期間:2011年7月〜2014年7月
  • 実施機関:水灌漑省(Ministry of Water and Irrigation)、水資源管理庁(Water Resource Management Authority)

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洪水時の様子(ニャンド川)

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洪水時の避難路の確認

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コミュニティのための避難所

ケニアでは、雨期と乾期の降水量の差が大きいため、乾期は河川の流量が少なくて枯れ川となっているような川が多いにもかかわらず、雨期には短時間で大量の雨が集中して降るため、全国各地で洪水が発生し、近年、年間の被災者で10万人、被害金額で10〜100億円を越えるような洪水被害が発生しています。

洪水被害に最も弱いのは、経済的に貧しいために洪水氾濫地域に住まざるを得ない人々や、洪水が来たときに速やかに避難することが困難な、お年寄りや子供たちなどです。洪水が来ると、人々の生活の糧である農作物や家畜が流されたり、農作物を市場に出荷するための道路が破壊されたりするので、貧しい人々がより貧しくなるという悪循環も発生しています。

こうした多くの被害に対し、政府には大規模なインフラ工事や近代的な予警報システム等による洪水対策を実施する人的・資金的余裕がない中、コミュニティレベルで実施可能な洪水対策の普及が非常に重要であり、有効な手段だと考えられています。

JICAは2006年以降、コミュニティレベルの洪水対策計画を策定し、避難所や避難路の整備などの構造物対策と、避難訓練やハザードマップの作成などの非構造物対策とを組み合わせたプロジェクトを実施、コミュニティレベルでの被害の軽減に成果を上げてきました。

これらの成果を受け、2011年7月に始まった「洪水に脆弱な地域における効果的な洪水管理のための能力開発プロジェクト」では、コミュニティによる洪水対策を広く普及するため、3つの対象地域でのパイロットプロジェクトを通じ、政府の能力向上や洪水管理に係る実施体制の確立を目指しています。