ケニアのボランティアの食事情

氏名:真利 一馬
隊次:2017年度2次隊
職種:野菜栽培
任地:マウア
配属先:イゲンベサウスサブカウンティ灌漑事務所
出身県:兵庫県

今回の「今月のボランティア」では私の活動紹介…というよりは隊員の食事事情について紹介したいと思います。私自身、野菜栽培という職種でこの地に派遣されていることもあり普段から野菜、食全般のリサーチというものは欠かせないものとなっています。(多分に自分の趣味を含んでいますが)

私の任地のマウアは食に関して言えば比較的恵まれた町であり、肉であれば山羊肉、牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉が手に入ります。最初の4つはケニアのどこにでもある一般的な肉ですが、豚肉は隊員の任地によっては手に入れることが難しいようです。ただ豚肉は皮付きで売られていて調理するのはひと手間ですが。(他の隊員の任地では皮無しで売られているようです)更にはラクダの肉屋もマウアには存在します。肝心の味は痩せこけた牛と同じだったので個人的にはうーん、という感じでした。

マウアには大きな野菜の市場があり、毎日新鮮な野菜が販売されています。他の任地の隊員の話を聞くと、任地によっては特定の曜日にしか市場が開いていない場合もあるようなので、やはりマウアは恵まれていると感じます。売られている種類も豊富で羅列するだけでもトマト、玉ねぎ、じゃがいも、コリアンダー、メイズ、ケール、スピナッチ、にんじん、さつまいも、にんにく、生姜、かぼちゃ、アロイモ、タロイモ、キャッサバ、ズッキーニ、ピーマン、キャベツ、ビーツ、各種豆類等々と様々な種類の野菜が揃っています。更にマウアの市場にはキュウリやゴーヤといったレアな野菜も販売されているので他の隊員に自慢できることの1つであります。配属先の同僚の話によるとゴーヤはワールドカップの時期になると需要が高くなり高値で取引されるそうです、理由は謎です。スピナッチはどこでも売られている葉物野菜の一つですが、このスピナッチ、訳すとほうれん草ですが、日本のほうれん草とは味も形も全く違います。実はケニアのスピナッチ(と呼ばれているもの)は日本でいうフダンソウ(スイスチャード)であり、本来のほうれん草は都市部の大きなスーパーで袋に入って販売されています。しかも商品名はイタリアンスピナッチ、ベイビースピナッチと書いています。こちらが本家本元のほうれん草なのに肩身が狭く感じます。ケニアの沿岸部ではオクラが市場に出回っていたり、地方によってはカリフラワーやブロッコリーが販売されていることもあるそうで、一口にケニアといっても食の事情というのは様々なのだと感じます。

毎日同じ食事のローテーションでも大丈夫という、どこに行っても生きていけるようなタフな隊員もいて羨ましくも思うのですが、私はどうしてもバリエーションがある食事を欲してしまいます。ここマウアでは娯楽といえるものがほとんどありません。ある意味では市場の品揃えを見たり、スーパーで日用品を買ったり、日々の献立を考え食する事が精神的癒しであり、娯楽の一つとなっています。youtubeやクックパッドを見て日本の料理を再現したり、たまにはケニアの料理を自分で作ってみたりしながら、それを心の支えにしながら日々活動を行なっています。幸いにも中国の醤油やウスターソース、ケチャップ、味の素、各種香辛料等は任地のスーパーでも手に入りますし、ナイロビに行けば、日本、韓国、中国食材店や大型のスーパーで色々な食材を手に入れる事ができます。ナイロビに上がる度にアジア系の各種調味料や日持ちする椎茸、木耳、昆布の乾物等、色々買って帰るのでエンゲル係数は物凄い事になっています。マウアの近くにも道路建設の為に中国の方が大勢来ているみたいなのでその内訪ねて普段どんなものを食べているのかリサーチして、彼らと地元の農家さんとを繋げる事もできればと思っています、あわよくば中国食材を譲ってもらえる事も期待して。

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市場で販売されているキュウリ 日本のものよりかなり太く食べ応えがある。

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マウアの肉屋 皮付きの豚肉が吊るされている。

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アパートで栽培されているケニアのほうれん草ことスイスチャード その都度葉っぱをちぎって収穫することでケールのように何度も収穫することができる。