jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

私にとって今回は、キルギス共和国への二回目の赴任となり、2005年から2009年にかけての最初の赴任から約15年を経て、この美しい自然に囲まれた、素晴らしい人々の住む国に戻ってくることができました。

まだ、到着してから1週間程で、首都であるビシュケクの極一部を垣間見たに過ぎませんが、高層の建物が増え、ハイセンスな商業施設や飲食店もあちらこちらに見られ、街自体も格段に広がっており、この15年間で街も国も大きく成長している様子を感じとることができます。

JICAの事業においても、この15年間で大きく成長し、成果を上げている協力があります。

初めにご紹介したいのは人材育成奨学計画(JDS)です。JDSは、無償資金協力による開発途上国における若手行政官等の留学事業ですが、キルギス共和国では、私の最初の赴任中の2006年から事業を開始し、現在までに300名を超える行政官が日本の大学に留学しています。そして、キルギス共和国では、帰国した留学生の約8割が副大臣などの要職をはじめとした役職に就き、リーダーとして国をひっぱり、更には、キルギス共和国と日本の架け橋となり、ご活躍されています。

そして、もう一つが「一村一品プロジェクト」です。この事業は2007年にスタートし、当時、私もJICA事務所でプロジェクトを担当していました。当時は、キルギス共和国の北東部、イシククリ湖を擁するイシククリ州を対象にしたプロジェクトでしたが、私の帰国後、その活動の範囲はキルギス全土7州に広がり、2023年には、キルギス政府が一村一品運動を国家プロジェクトとして正式決定するまでに成長しています。そして、現在実施しているフェーズにおいては、その対象地域を隣国であるカザフスタンとタジキスタンにまで広げています。

今年2025年は、JICAがキルギス共和国に事務所を設置してから、またJICA海外協力隊の派遣を開始してから25周年にあたる節目の年です。この間に上述した2つのプロジェクト以外にも、運輸交通インフラの整備、保健サービスの改善、農畜産業生産性の向上、日本とキルギスのビジネス・文化交流の促進など数々のプロジェクトを進めて参りました。これから先の四半世紀を見据え、キルギス共和国の更なる発展、そして、日本とキルギス共和国との絆を更に深めるべく、引き続き取り組んで参ります。

2025年4月
JICAキルギス共和国事務所 西形康太郎