所長あいさつ

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JICAのキルギスにおける取組みにご関心を持ってくださり、ありがとうございます。

日本とキルギスの関係は、当地では「かつて一緒に住んでいた人々のうち、魚が好きな人々は東に行って日本人になり、肉が好きな人々は西に行ってキルギス人となった。だから、キルギス人と日本人はきょうだいである。」と良く言われており、日々生活していると実際に日本人や日本に関心を持っているキルギス人の方が多いと感じます。

キルギスは、まだ日本の多くの方には馴染みがないかと思いますが、私自身も赴任後にさまざまな印象を持ちました。

  • 親日家の人々がとても多く、若者を中心に日本語の学習が盛ん。
  • 食事がおいしい。肉中心かと思いきや、野菜、果物、乳製品が新鮮で料理もバラエティに富む。
  • 北海道と同じくらいの緯度に位置し、寒冷地農業をはじめ、大きなポテンシャルがある。
  • 4,000メートル級の天山山脈から連なる山々を望み、世界第2位の透明度を誇るイシククル湖を擁し、羊・牛・馬などの放牧が各地で見られ、雄大かつ牧歌的な風景が広がっている。
  • 古来からシルク・ロードの通り道で、中国王朝、イスラム系王朝、トルコ系・ロシア系の文化がさまざまな形で交錯し、あまり知られていない歴史遺跡もある。自然・文化両面から観光のポテンシャルも大きい。
  • 家族や年配者を大切にして敬う穏やかな国民性をもつ。

キルギスには、これ以外にもさまざまな魅力があると思いますので、ぜひ足をお運びいただければと思います。

他方で、経済については、2018年の年間経済成長率は3.5%、一人あたりのGNI(国民総所得)は約1220ドル(2018年時点)、UNDPによる人間開発指数は120位(同)という状態です。海外への出稼ぎ者は引き続き人口の1割以上と言われ、GDPに占める割合は34%(2018年)にも達していることから、海外からの送金が経済に与える影響も少なくありません。

現在、キルギス共和国政府は、特に地方の活性化を図ることが国力をあげるために重要であるとして、2040年までの国家開発長期計画及び2022年までの中期計画も策定し、地方開発を推進しています。

JICAでも、キルギスに寄り添った協力を行うことを基本的な考え方とし、今後、1)産業の多角化として、主要産業である農業振興、農業以外の産業振興・中小企業振興、運輸交通整備を推進し、2)行政・社会サービスを充実させるための人材育成や保健医療など人々の生活に直結する協力を進めていきます。

なお、JICAのキルギスへの協力は1993年に開始され、2000年には首都ビシュケクにJICA事務所を設置しました。2000年までは、山がちの地形を通る幹線道路及び首都国際空港の整備をはじめとした大規模な協力事業や、ソ連崩壊後の市場経済化を後押しするため、法整備や行政官をはじめとした人材育成を支援するなど、全援助国の中でも最大規模の協力を行ってきました。2000年以降も、この流れを汲み、キルギス日本人材開発センターや日本への公務員留学制度への支援を開始したり、日本発の「一村一品」運動をキルギスの現場に沿った形で取り入れたビジネス振興、農産物の輸出振興などを推進してきました。

今後は、上記に加え、保健医療など社会サービスの向上に資する支援も検討していく予定です。

これらの協力は、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献の観点からも、他の開発援助機関との連携・対話も行いながら実施してきた事業もあります。今後も、これらの開発援助機関や民間企業・研究機関・NGO等との連携を強化していく所存です。

JICAキルギス共和国事務所では、引き続き、さまざまな「現場の生の動き」を、タイムリーにお伝えしていければと考えています。

よろしければ、ぜひfacebookもご覧いただければ幸いです。

今後とも、キルギスにご関心を持ってくださり、また、キルギスにおけるJICA事業に対してご理解とご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

JICAキルギス共和国事務所長 根本直幸