“マイ パーソナル ストーリー”-Ms. IMANALIEVA Ainura×現地職員×JICA海外協力隊-

2022年9月27日

Ms. IMANALIEVA Ainura(Program Officer)、永瀬 光(Volunteer Coordinator)

【画像】

アイヌラさんと私(永瀬)、カッコよくJICAバナーの前で撮りました

みなさんこんにちは。今回は、事業推進の要となるキルギス人現地職員について、どんな人がどんな思いで勤務しているのかお届けします。今日ご紹介するのは、2007年からJICAキルギス事務所の協力隊事業班で勤務するAinura(アイヌラ)さん。バレーと協力隊を愛し、歓送迎会などのイベントでは毎回司会を務めるなどパワフルに働く彼女のモチベーションを伺うことができました。ここからは、同僚である私(永瀬)とのQ&A形式でお伝えします。

Q(永瀬):まず最初にアイヌラさん自身のことについて教えてください。

A(アイヌラさん):はい。私はビシュケク生まれのシティガールです(笑)。と言っても1991年の独立以来、私の学生時代含む青年期は独立後の困難な時代にも重なります。独立に伴い生活に様々な困難が生じるなか、国連はじめ多様な国際機関がキルギスでの国際協力を展開し始めていました。

永瀬:(ほぼ同年代の)私も、当時ニュースなどで冷戦の終結は大きく取り上げられていたのを覚えています。国の在り方が大きく転換する中、どのような経緯でJICAに就職されたのですか?

【画像】

欧州連合代表部時代のアイヌラさん

アイヌラさん:私はビシュケクの国立大学で数学教育を専攻していて、そのままいけば数学教師になるはずでした。一方で、大学卒業間近にして当時の変わりゆく国の姿を見ていて“キルギスの発展のため何かできないか?そのためにももっと自分に力を着けよう”と大学院で経営管理を学び修士号を取得、同時に英語も学びました。大学卒業後の最初のキャリアはイギリスのNGOで、当時ビシュケク市内で社会問題になっていたホームレスとシングルマザー支援に関わり、次に欧州連合代表部にて地方公務員の行政能力育成関連業務に従事しています。独立後の国家創成期に、地方行政を通じて国づくりに携われたのは大変有意義なことでした。そして2005年になり、いよいよ私のJICAとの関わりが始まります。最初は、農業関連プロジェクトの現地コーディネータとしてキルギス東部のカラコル市に駐在しました。その後、プロジェクトの終了と共にJICAからお誘いを受け、2007年以来ビシュケクのJICA事務所にて協力隊事業に従事しています。

永瀬:もう17年になるんですね!この間様々なことがあったかと思いますが、長年のJICAでの仕事の中で、アイヌラさんにとって一番大変と感じた出来事はなんですか?

【画像】

キルギス中を駆け回って回収してきた協力隊員の荷物たち

アイヌラさん:一番大変だったことと聞かれると、やはり2020年3月以降のコロナ関連のことが思い浮かびます。当時は事務所長含む3人以外の日本人が、協力隊員含めみんな日本に一時帰国してしまいました。厳しい外出と移動制限がしかれ、コロナ関連疾患での死者が多く出ている中、私は事務所近くに住んでいたこともあって必要最低限の事務所機能の維持のため出勤することもありました。また、協力隊員が戻ってこられないとわかってからは、地方を巡回して彼らの荷物の引き揚げ作業を行っています。

永瀬:世界中でコロナが蔓延する中、キルギスでも大変困難な状況にあったんですね。大変不安な時を過ごされたかと思いますが、そんなみなさんの支えのおかげで、まだまだ困難な状況は変わりませんが、我々は引き続き事業を継続できているのだと思います。そんな長年の勤務と困難を経験してきたアイヌラさんにとって楽しかった出来事は何ですか?

アイヌラ:楽しかったことと言うと、いろいろありすぎて、(う~ん)、

永瀬:では、あなたに元気をくれるもの、モチベーションとなるものはどうですか?

【画像】

インシュリン配布ボランティアの仲間と

アイヌラ:そうですね、やはり協力隊員の存在そのものかと思います。自分が彼らとずっと関わってきているせいもありますが、遠く離れた日本から縁もないこの国にきて、言葉さえも分からない中彼らは2年間も自分の人生をかけてこの国の人々と一緒に頑張ってきました。そんな彼らの頑張りと存在自体が私のモチベーションにもなっていると感じます。これに影響を受けたのもあると思いますが、コロナで移動制限が課される中、ビシュケク市内で、あるボランティア活動に私も参加したことがあります。市内に点在する糖尿病患者の住居へインシュリンを届けるというものです。SNSを通じて支援が呼びかけられ、政府の外出許可のもと20人で活動、結果として6,000人に薬を届けることができました。この国が大変な時にこんな形で支援に携われたことを誇りに感じています。そして、こんな行動を起こせたのはこれまでの協力隊員の姿を見てきたことに刺激を受けたからであり、彼らの気持ちもいくらか理解することができた気がします。

永瀬:大変素敵なお話しを聞かせていただきありがとうございます!一緒に働くチームメイトとして、また元協力隊員としてもうれしく、また何か通じるものを感じます。では、最後にこの記事を読んでいる日本の皆さん、これから協力隊への参加を考えている皆さんにもメッセージをお願いします。

アイヌラ:皆さん是非キルギスに来てください!見た目が日本人にそっくりと言われており、外国人に対してオープンで、なによりキルギスは大変親日的な国です。今、キルギス事務所の協力隊事業班には4人のスタッフがいます。新たな土地で新たな生活と仕事を行うのは大変な挑戦になると思いますが、この国の人々のために、そして皆さんにとっても実りのある協力隊人生を過ごせるよう我々が全力で皆さんの活動をサポートします!

【画像】

協力隊事業班の4人です