インターンレポート7「わたしなりの国際協力のあるべき姿とは」

2020年4月20日

インターンレポートの最終回です。最後はインターン業務やマラウイでの生活を通して、国際協力に関して純粋に感じたことを記します。

マラウイでの生活は非常に快適でした。プール付きの家、掃除・洗濯・皿洗いをやってくれるお手伝いさん、停電した時のジェネレーターの作動、日本では容易にはいけないような高級レストランでの食事、タクシーの頻繁利用など、絶対に日本ではできない生活でした。それでも日本よりも安く暮らせます。仕事以外のストレスはタクシーの値段交渉と日本の食料品を手に入れにくいぐらいです。また仕事のストレスもなくどの業務も楽しく学びあるものでした。しかし全体を通してこのインターンシップがすごくいいものかと言ったら簡単にYesとは言えません。なぜなら私はマラウイに対してどのような援助が最も欲されていて有効的なのか結論が出せないからです。

一方で、JICA職員や国連関係者は自分と同じような生活をしているのに、その国の国際協力の需要を察知できるのは純粋に感心します。しかし本当にJICAや国連の国際協力は的を射ているのかと懐疑的に思うこともあります。なぜならマラウイの病院を視察した際、某機関の援助品が倉庫に山積みされていたからです。いくら援助品を送っても需要とマッチしなければ意味を成しません。食糧不足の国に、食料が必要なのに大量のおもちゃを送るのと同じ行為でしょう。一方でJICAはその国の需要と地元住民に沿った援助を行っていると思っています。しかしマラウイ人にとって“本当“に必要な支援なのか、その結論は一般的なマラウイ人と同じ暮らしをしていない外国人には出せないと思います。

決して海外での豪華な暮らしを批判しているわけではありません。海外での生活においてストレスを溜めないことと安全面と健康面の管理は非常に重要です。そのことを考慮すると、特にマラウイでの生活は日本よりも豪華になると思います。しかし経験として、その国の暮らしを体験することは国際協力をする上でかなり重要だと思います。なぜなら現地人が何を感じ、何を考え、何を欲しているか、感覚的に考えられるからです。これを踏まえると、例えば現地の家庭に1週間から1か月ホームステイすることは有効的でしょう。もしホームステイのハードルが高ければ、マラウイなら1週間シマ生活をすることも有効かもしれません。シマとはトウモロコシ粉を水で練ったマラウイの主食です。JICAの日本人職員はお昼ご飯時、シマも選べるのにほとんどライスを食べます。それを1週間だけシマにすることで少しでも現地人の気持ちが分かるのかなと思いますし、その姿勢が大切だと思います。ということで私も一週間シマ生活をしてみました。正直、きつかったです。シマと合うおかずが少ないので食が豊かな日本人には堪えると思います。この期間は、栄養が偏らないか、とうもろこしが不作だったらどうするのか、コレラが流行ったら手で食べることは不衛生ではないか等、普段思わないことを思うことができました。JICAがマラウイでもっと有効的な援助ができるように事務所職員全員で、定期的に1週間シマ生活をしてほしいです。もしこれが実現されたらこのインターンシップの一番の成果でしょう。

さてJICAマラウイ事務所でのインターンシップを終了後、テレビ局に進みます。私は、テレビの世界から自分のできる国際協力をしたいと考えています。将来の私なりの国際協力は、国際協力や国際問題を分かりやすく視聴者に伝え、関心を持ってもらうことでしょう。またマラウイに訪れてポジティブな情報を届けたり、他局よりも国際協力の現状を分かりやすくかつ踏み込んだ情報をお届けできたら、初めてこのインターンシップは大成功だったと言えると思います。