マラウイボランティアレポート「東京2020オリンピック・パラリンピック、マラウイのホストタウンへ」

2021年7月30日

名前:本田 藍
隊次:2015年度1次隊(2015年7月6日~2017年7月5日)
職種:青少年活動
配属先:ムチンジ教師研修センター
出身地:福島県二本松市

「マラウイのホストタウンはまだ決まっていないらしい。こんな縁も滅多にないものだから、ぜひ登録に向けて動いてみよう。」帰国後、群馬県太田市の私立学校に就職し約1年が経った2018年の夏、突然、市役所の仕事を兼任している職場の上司から言われました。なんと、この学校にはもう1人この当時現役の協力隊としてマラウイで活動している方がおりました。率直に面白そう、またマラウイと携わることができるのであれば、ぜひやってみようと思いました。

さっそく、市役所の担当課の方々と協力して登録へ向けての活動を始めました。まずは現地のキーパーソンに繋がり必要な情報を集めるため、すぐに当時現地で活動中の櫻井隊員(2016年度2次隊)に協力を求め、現地のオリンピック委員会や関係各所との連絡をお願いしました。私は日本で現地と市役所の連絡の間に入り通訳をしたり、マラウイへの確認事項や今後の活動を市役所の方々と一緒に考えたりしました。

何事も一筋縄ではいかないのがマラウイです。櫻井隊員が約束の時間に訪問しても相手がいなかったり、停電でメールが開けず返答に1ヶ月以上待ったり、選手選考のための全国大会が当日延期になり、なかなか選手選考が進まずに来日予定人数が想定できなかったり。私は隊員としてこのような想定外の出来事が起こることを何度も経験していたため、「あぁ、これがマラウイだな」と懐かしさも感じながら対応していましたが、初めてマラウイとのやり取りをする市役所の方々はとても困惑している様子でした。

紆余曲折ありながらも、同年12月、ようやく正式にホストタウンへの登録が決まりました。そこから、まずは市民に方々に少しでもマラウイと知ってもらう活動をしようと、駅前ホールや市立図書館でパネル展示会や在日マラウイ大使を招待して講演会を開催したり、市内の小学校で出前講座などを実施したりしました。翌年1月にはマラウイから事前キャンプ地の視察団を招待することもできました。通訳として視察団とともに行動した2日間は、久しぶりのチェワ語やマラウイの方のフレンドリーさなどに触れ、隊員当時を懐かしく思い出させてくれました。

その後、新型コロナウイルスの影響によりオリンピックの1年延期が決定し、ホストタウンとしての活動も滞ってしまいましたが、先日マラウイから3名の選手を含む計7名が太田市での事前キャンプのために来日しました。このような状況ですが、やはり自分が携わった活動で、マラウイ選手の役に立てることはとても嬉しく思います。

また、この過程でマラウイと太田市の繋がりがうまれ、在日マラウイ大使館、在マラウイ日本大使館もご協力くださり、2019年から消防車や救急車、ランドセルなどを寄贈しています。

こうして帰国後も様々なご縁でマラウイと繋がっていられることはとても嬉しく、ありがたいことだと感じます。東京オリンピックでのマラウイ選手団の活躍を願って、「がんばれ!マラウイ!!」

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太田市ホストタウン正式登録後の在日マラウイ大使の太田市表敬訪問

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太田市民へ向けてのマラウイ講演会(左から本田OV、同校勤務のマラウイ人教員、櫻井OV)

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カムズ国際空港に配備された太田市寄付の消防車お披露目式