マラウイボランティアレポート「マラウイのコンピュータ教育の現場から」

2022年10月7日

名前:竹内 真理
隊次:2019年度3次隊
職種:PCインストラクター
配属先:ムクウィチセカンダリースクール
出身地:愛媛県 松山市

私はマラウイの首都にあるセカンダリースクール(日本の中学3年生~高校3年生が通う)でコンピュータ科目の指導をしています。みなさん、マラウイでコンピュータを教えるというとどういうイメージがありますでしょうか?「物資や人材が不足して、コンピュータを十分に教えることが難しそう」と思う方も多いのではないでしょうか?実際そのイメージは間違っておらず、マラウイ国内の大多数のエリアでは、コンピュータのみならず、電気などのインフラも不足しており、この科目を指導できる人材も少ないです。

一方で私の配属された学校では、殆どの教員が自身のラップトップを所有しており、テストの作成や成績管理をコンピュータで行うことができます。また、カウンターパート(普段一緒に仕事をしている同僚)をはじめコンピュータを指導できる教員は4名以上在籍しており、コンピュータの知識も十分あります。配属校におけるコンピュータ室には約30台のコンピュータが設置されており、教員はプロジェクターを用いて授業を行います。また電気が来ていない日は、教室で授業を行います。

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コンピュータ室における授業風景

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教室における授業風景

私は現在主に1年生の指導をしています。入学時にどのくらいの生徒が今までにコンピュータを使ったことがあるのか生徒に尋ねたところ、40人クラスで約半数がコンピュータを触ることが初めてということでした。そのため、マウスやキーボードを使うのもままならない生徒も多いです。
そんなある日、副校長先生に「生徒の多くはコンピュータを知らないから、マウスとネズミを混同しちゃうかもしれないよ。ちゃんと教えてあげてね」と冗談交じりに言われました。その時は「まさかそんなことはないですよ!私の授業は極力コンピュータ室で授業を行っていますし、毎回コンピュータ室でマウスを見たり、操作したりしていますよ。」と答えたのですが、、、その次の期末テストで思いもよらない事態が起こったのです。サービス問題のつもりで出題した「マウスを描きなさい」の回答が、、、

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生徒の描いたマウスの絵

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期末試験の様子

一見あっているような、、、いえいえ、コードが出ている向きが逆ではないですか!まるでネズミのしっぽのよう。しかも一人ではなく5人以上の回答でボタンとは逆向きにコードが出ているではないですか。副校長先生のアドバイスもあながち間違っていないかもしれないと感じた瞬間でした。

マラウイの国内ではインフラ面や物資面で、かなり恵まれた環境の首都における活動ですが、停電や建物の建て付けの悪さ等、初学者向けのコンピュータの指導にはまだまだ課題が多いのが現状です。その中で、少しでもマラウイにおけるコンピュータ教育に貢献できればと思い日々活動を行っております。