マラウイボランティアレポート「武道クラブを通した日本紹介」

2022年10月7日

名前:矢島 穂高
隊次:2021年度1次隊
配属先:ナリクレ教員養成大学付属中高等学校
出身地:静岡県静岡市

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私は首都郊外に位置するナリクレ教員養成大学付属中高等学校で、理数科教育の質の向上を目指し活動を行っています。具体的には、学力の向上のために生徒中心の授業を取り入れたり、実験を行う授業が少ないため実験を取り入れた授業を同僚教員に紹介したりしています。マラウイではほとんどの生徒が教科書を持っていないので、教育内容は教員の書いた黒板を通して生徒に伝えられます。この方法では生徒が科学の現象をイメージして考えることが非常に難しいため、私は実物教材や実験を通して生徒の理解を深めさせることを意識して授業を行っています。また私は要請の活動以外にも、武道クラブを行っています。今回はそのクラブ活動について紹介します。

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このクラブ活動を行うようになった理由は、同僚教員が日本の武道に興味があり、私に頼んできたことによります。マラウイでは大人だけでなく、生徒にも日本の武道は浸透しており、街中を歩いていても多くの人から武道を教えてほしいと言われます。マラウイのテレビでは、アジア系のアクション映画をよく放送しており、その中で日本人が様々な体術を使って戦っているものを見て知っているのだと思います。その同僚教員は日本人ならみんな武道を出来ると勘違いしていましたが、幸い自分も武道経験があったので承諾しました。参加者を募ったところ、100名を超える生徒が希望していましたが、1人で教えることは難しいため、40名ほどの生徒に絞り、現在教えています。

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私が指導しているクラブ活動は、誰かを傷つけるのではなく、誰かを守るためのセルフディフェンス、そして武道を通して日本文化を学ぶことを目的として活動しています。武道の技術だけでなく、「礼」や日本語を教えることで、マラウイとは異なる日本の文化について理解を深めさせています。生徒たちは私が行う突きや蹴りに対して目をキラキラと輝かせて観察し、一生懸命真似しています。日本語の挨拶や数字なども頑張って覚えてくれた生徒も多いため、学校では日本語で挨拶されることも多くなってきました。マラウイの生徒たちが日本のことを理解しようとしてくれて、とても嬉しいです。マラウイの人達からはアジアの国はとても遠くて、中国、韓国、日本のことを勘違いしている人もいますが、同様に日本の人達もアフリカの国々を勘違いしていると思います。私は活動を通して、マラウイの生徒の視野を広げさせると共に、将来この経験を日本の生徒にも伝えていきたいと思います。