マラウイボランティアレポート「日本とマラウイとの共通点」

2023年1月11日

名前:千田 成美
隊次:2021年度3次隊
職種:小学校教育
配属先:セントポールズ小学校
出身地:広島県広島市

「日本と外国との違い」と聞いて、何を思い浮かべますか?
その「違い」は時におもしろいですが、場合によってはストレスにもなり得ます。

例えば容姿。子供たちや先生たちに「長い髪の毛が欲しい。」「僕らの肌は石炭を使うから黒くなったんだよ(笑)。日本人の肌の色が羨ましい。」などと言われます。一方、街を歩けばじろじろ見られたり、見ず知らずの人に「アズング(外国人)!チャイナ!」と叫ばれたりすることも少なくありません。

ではマラウイと日本との共通点はあるのでしょうか。
私が教えている6年生や同僚たちは私に配慮して英語で話しかけてくれたり、私が困っている雰囲気を出せば察して助けてくれたりします。私が助けるどころか、「彼らに助けられている」と日々、感じています。

しかし、子供たちの学力を上げることは日本以上に困難です。かけ算を6年生でも覚えていない、教授言語の違い、教科書や紙の不足、欠席が多い、家庭環境、…などなど。課題を挙げればキリがありません。
私は毎日、自作の教材を駆使し、個別に何度も教え、カンニングを叱り、…などなど試行錯誤して指導しています。
中には、私の授業は話を聞いてくれない、問題を解こうとしない子供もいます。
そんな彼らを見て「算数自体もきっと出来ないだろうに、その上、私の話す英語も分からないから、やらないんだろうな」と勝手に決めつけていました。

そんなある日、ダメ元で「一問だけやろう」と声をかけ、個別に拙い英語で説明しました。そうすると、彼らは話を聞いてくれた上に、なんと自分から次の問題に取り組み始めたのです。

彼らが内心、何を思っているのかは分かりません。ただ、学校に来ている全ての子供たちが「出来るようになりたい」と思っていることは、日本でもマラウイでも同じなんだと気づかされました。

そんな彼らの姿に応えるべく、私も毎日、奮闘しています。が、なかなか教えたことが定着しない子供たち。「自分がやっている活動に果たして意味はあるのだろうか」と日々感じます。

それでも学校に行けば、与えられた環境下で「できるようになりたい」と、ひたむきに学ぶ子供たちがいます。そんな彼らの姿が私の活動の一番の原動力となっています。
そして、「すぐに結果は見えずとも自分の活動は、10年後、50年後、あるいはもっと未来のマラウイを創ることに繋がっているはず」と信じ、残り1年より一層、邁進して参ります。

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地べたでも勉強する子供たち

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かけ算練習中の5年生