思い出の一枚「もうひとつの故郷・モンキーベイの家族へ」

2021年4月28日

名前:竹本 大起
隊次:2017年度2次隊(2017年10月3日~2019年10月2日)
職種:理科教育
配属先:リスンビュイ中高等学校・モンキーベイ
出身地:埼玉県川口市

“Mulibwanji?”元気にしていますか?僕が日本に帰ってから、もうあっという間に1年以上が過ぎてしまいました。どんなに離れていても、いつも気になるのはアマイ(お母さん)、兄弟のマリア、チェウェスのことです。

僕がモンキーベイに赴任したのは、マラウイでは夏真っ盛りの2017年の11月でしたね。配属先の学校からすぐ近くのきれいな家でしたが、実はあの時、皆さんと一緒の敷地に住むことに少し緊張していました。でも皆さんはそんな僕をあたたかく迎えてくれました。アバンボ(お父さん)は、右も左もわからない僕に町を案内してくれましたね。道行く人が僕をじろじろと見てきて、言葉もわからず不安でいっぱいだったけれど、近所の住人や露天の店番に「ダイキは私の息子だ。仲良くしてあげてくれ」と紹介してくれました。「困ったことがあったらいつでも言ってくれよ。」本当に嬉しく、心強かったです。はじめは別々にとっていた食事もいつしか毎日一緒に食卓を囲みましたね。マリアやアマイが作るシマはフワフワモチモチで、何度やっても自分には作れない魔法の料理でした。あぁ、マラウイに帰りたいなぁ。

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毎朝、庭のアガル(犬)とンクク(ニワトリ)たちが夜明け前から自然の目覚ましを奏でる。しばらくすると「ザッ、ザッ…」と乾いた地面をほうきで掃く音がする。きっと今日もマリアが腰をかがめて地面を掃いているのかな。いつも陽気なマリアは、早朝から鼻歌ならぬ生歌を歌いながら掃除をしている。暑くて汗だくで目覚めた朝には、水シャワーが気持ちいい。身支度を整えて母屋へ行くと、朝食のキャッサバと砂糖たっぷりの紅茶が用意されている。マリアもチェウェスも朝から掃除に洗濯に大忙し。午前中の授業が終わると一旦家に帰る。昼食が用意されている。「午後も仕事なの?ご飯はしっかり食べてね」とアマイ。午後の授業が終わって家に帰ると、マリアが夜ご飯を作っている。チェウェスとマリアのチェワ語の会話には入れないけれど、洗い物を手伝ったり食卓の準備をしたり、なんだかすっかり自分も家族の一員になれたようで嬉しかった。食事の後はリビングでしばし談笑。だけど電気もつかない夜は早めに寝ましょうね。夜空を見上げると満点の星空と天の川。目を閉じるとそんな思い出が今もありありと蘇ってきます。

もう一つの故郷モンキーベイへいつか必ず帰るから、その日まで元気でいてください。たくさんの思い出をありがとう。マリア、チェウェス、アマイ、そして天国のアバンボ。

次回は、2017年度1次隊の富田明澄隊員(理科教育)の思い出の一枚です。