思い出の一枚「繋がる!マラウイと日本の高校生!」

2021年5月6日

名前:富田 明澄
隊次:2017年度1次隊(2017年7月4日~2019年3月21日(現職参加のため))
職種:理科教育
配属先:マンゴチ中高等学校、ナリクレ教員養成大学
出身地:千葉県柏市

現職の高校教諭、かつ青年海外協力隊員として赴任したマラウイ共和国。ここで過ごす間に実施したいと思っていたことが、「マラウイと日本の生徒を繋げる」という活動だ。地球の裏側に住む高校生はどんな生活をしていて、何を考えているのか。広い世界を知ることで視野を広げたり夢を持ったり、何かのきっかけになればと思っていたからだ。
企画は、マラウイや日本の同僚に協力してもらい「ビデオ通話」を介して行った。しかし実施には多くの壁があった。例えば「電気」だ。マラウイは停電が非常に多く、果たして当日までにパソコンを十分に充電できるのか。充電機能のないプロジェクターは当日使えるのか。更に安定しない「電波」は当日届いているのか。帰国した今思い返せば、綱渡りのような計画だったと思う。
そして、迎えた本番当日。ここにも最後の壁があった。それはマラウイ人は自ら「マラウイアンタイム」と呼ぶように、時間を守る習慣が無いことだ。時差の関係で、生徒には朝7時に集合してもらう必要があった。5分前着席が合言葉の日本の生徒を前に「明日の朝、誰も来なかったらどうしよう…」そんな不安で前夜はあまり眠れなかったのを覚えている。静まり返った校庭を、不安と焦りから早足で通り過ぎて会場へ向かうと…いる!!!!

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生徒達は私よりも早く到着して待っていた。疑ってしまった申し訳なさと同時に、イベントが終わったかのような安心感が襲って来たのを覚えている。

そして、無事にビデオ通話が始まった。生徒達は互いの好きな食べ物や学校生活、文化などを紹介しあった。身を乗り出しながら小さなパソコン画面を覗き、皆興味津々に話をしていた。最後にマラウイの生徒が得意な歌とダンスを披露し、大盛り上がりで通話は終了した。
その後、日本の生徒がマラウイの生徒一人一人に手紙を書いてくれた。中には、マラウイの現地語であるチェワ語で書いてくれた生徒や、日本の写真を船便で送ってくれた生徒もいた。そしてマラウイの生徒も一人一人に返信を書いた。

マラウイに滞在している間、同様の企画を複数の学校で行った。その中で、日本から参加していた生徒が大学生になってからマラウイを訪れたり、日本の同僚から「青年海外協力隊に参加したいと思うようになった。」と聞いたり、様々な反応があった。また、英語の先生は「日本の生徒には“伝える”ための英語を教えないといけないと思った。」などと感想を伝えてくれた。生徒だけでなく教員にも沢山のきっかけや学びを与えてくれた貴重な活動になった。

次回は、今もマラウイで生活して現地へ深く溶け込んでいる2016年度3次隊の徳竹野原隊員(コミュニティ開発)の思い出の一枚です。

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日本の生徒からマラウイの生徒への手紙

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日本の生徒の中にはチェワ語(現地語)で書いてくれる子も!

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マラウイの生徒から日本の生徒への返信