思い出の一枚「マラウイで学んだ異文化」

2021年7月8日

名前:香川 沙由理
隊次:24年度3次隊(2013年1月~2015年3月)
職種:看護師
配属先:ンチェウ県病院
出身地:香川県

「マラウイってどんな国?」
帰国後に私が看護師として活動を行っていた頃の話をしようとすると、必ず質問されるフレーズの1つです。派遣が決定した時、実は私も同じように考えていました。

マラウイではほぼ毎日のように停電があり、水道から水が出ないので洗濯は井戸水を使い、料理はバウラー(七輪)を使う生活でした。外に出ると家畜のニワトリやヤギが歩き、誰かとすれ違うと「ボー!(やあ!)」と挨拶をします。女性はチテンジという鮮やかな柄物の布で作られた服を着ており、子供も大人も荷物を頭にのせて運びます。日常生活は日本と比べると不便さはあるものの、ゆっくりした時間の流れが心地良く感じられました。しかし、活動場所の病院では驚きの連続でした。入院患者数が多くなると1個のベッドを複数の患者で共有し、患者の世話はすべて家族が行います。男性看護師の割合は日本よりもはるかに多く、産婦人科で男性看護師が勤務していることもありました。日本では男性看護師は産婦人科で勤務していないことを伝えると、「なぜ?看護師に女性も男性も関係ないよ。」という返答に衝撃を受けたと同時に、自分自身の価値観の偏りに気付くきっかけにもなりました。

【画像】

酸素吸入を受ける入院中の子ども達

習慣、文化、宗教、ジェンダー、価値観などの異文化を、活動を通して体験したことで物事をみる視点が大きく変化したことを実感しています。日本人の視点でみると疑問に感じる出来事にも背景や理由があることを知り、異文化を理解し受入れることにつながっています。現在私は看護師として病院で勤務し、訪日または在留外国人患者さんと家族の支援を行う業務を担当しています。様々な背景をもつ外国人患者さんと家族の関わりを通して異文化を体験しますが、彼らの支援に携わる看護師としてマラウイの活動経験は活かされています。これからも様々な異文化を知り、理解を深め、多様性のある看護に反映できるよう努めていこうと思います。

次回は、優等生隊員の一人である24年度2次隊の水越隊員(コンピュータ技術)の思い出の一枚です。