思い出の一枚「ザ・青年海外協力隊inマラウイ」

2021年8月12日

名前:田村 美津子
隊次:2010年度3次隊(2010年1月7日~2012年7月12日)
職種:幼児教育
配属先:NGOコンソルホームズ オーファンケアセンター
出身地:香川県かがわ市

「写真を撮るよ~!」と言うとどこからともなく集まってくる子ども達。こんな写真が撮れるのも「青年海外協力隊ならでは!」でしょう。

【画像】

ザ・幼児教育隊員と元気な子ども達

マラウイでの一番大変だった出来事を思い返すと、派遣1年後くらいに2か月ほど電気が止まったことがありました。ロウソクで灯りを取り、かつその火でインスタントラーメンを作ったり工夫して生活していましたが、2か月を超えるとさすがに耐えきれなくなり「私の家の電気はいつつくの?」と大家さんに問うと「電力会社に頼んでいるけど2年くらいかかるらしいよ」という衝撃的な答えが返ってきました。腹が立ったので自分で電気コードを購入し、大家の家のコンセントから庭の樹木と塀を伝って自宅のコンセントへ電気を引き込みました。そして、隣近所4軒分の電気を開通させました。このような出来事がマラウイ滞在中にはまあまあ起こり、これらの経験から私は世界のどこでも生きていけるという根拠のない自信を身に付けました。

協力隊に応募したのは38歳の時。外国で生活するなんて全く考えたこともなかった私ですが、子ども達に関わっていく上で世界を体験しておくことは重要と一念発起し、参加に至りました。派遣当初は、私の経験や知識が現地のなんらかのお役に立てばと思っていましたが、逆にたくさんの経験と学びを得ることができ、マラウイの人々のやさしさ・思いやりに支えられた隊員生活となりました。

冒頭のエピソードのように、日本の当たり前や常識が世界に出るとそうでもないことに気づかされます。マラウイでは予定通りに物事が進むということは稀で、その結果たくさんの待機時間があり「何もすることのない時間」を満喫しました。当時はインターネットも普及しておらず(現在も?)本当に何もすることがなく、ブラブラしたり、その場で出会った人たちと会話したり、昼寝したり、本を読んだりしていました。日本で仕事や生活していると「何にもない時間=豊かな時間」だったかもとか改めて思い出され、マラウイが恋しくなります。

現地マラウイの人々の笑顔・やさしさ・面白さにどっぷりはまった私は「世界をワクワクさせる人材の育成」を目標に、2020年9月現地の友人とともに幼稚園(SKY Kids Academy リロングウェ県カンゴンマ)を開園しました。現在の生徒数は50名程、10年は活動継続したいと思っています。現地に行かれる際は、ぜひお立ち寄りください。

次回は、悩んだ時には肝っ玉隊員マミさんに決断を仰げと言われてた伝説の隊員、南部のMBCマラウイ国営放送局で活動されていた20年度3次隊の中西真実隊員(放送技術設備)の思い出の一枚です。