思い出の一枚「マラウイでのゴスペル」

2021年10月7日

名前:竹中 成行
隊次:平成18年度3次隊(2007年3月26日~2009年4月8日)
職種:木工
配属先:サリマ職業訓練校
出身地:富山県高岡市

私は、日本にいた時にゴスペルのサークルに入っていたということもあり、マラウイへの派遣が決まった時に、これは本物のゴスペル(霊歌)を体験する絶好のチャンスだ!と思い、ワクワクして任地に向かったことを覚えています。

任地ではSENGA-BAY C.C.A.P.という教会に通って、ゴスペルクワイアの一員として毎週日曜日の礼拝で歌わせていただくことができました。私が参加したクワイアはマラウイでも結構有名なグループだったようで、CDやDVDを発売したり、あちこちの教会に招待されて歌ったりしていました。マラウイで年に一度開催される「Lake of Stars Festival」という音楽フェスティバルに出演させていただけたことは楽しかった思い出の一つです。

さて、私はこんな風にゴスペルに没頭していたので、週2~3回の練習も含めると、ほぼ毎日のように教会に通っていました。マラウイ人の多くが信仰しているキリスト教について理解を深めることや、皆で一緒に歌ったり踊ったりしながら共に過ごした時間は、隊員活動を円滑に進めるためにも非常に役に立ちました。

それにしてもマラウイアンの歌や踊りには驚かされます。特に子ども達を見て感じますが、歌は上手いし踊りにキレがあるし、何よりも本当に楽しそうです。日曜日に教会に集まって歌って踊るというのが彼らにとって数少ない娯楽の一つになっているのでしょう。牧師の説教の時間よりも、歌っている時間のほうが圧倒的に長いというのは実にマラウイらしいなと思いました。

マラウイでは子どもも大人も教会に集まるのが当たり前になっていて、彼らの生活の一部になっています。マラウイの人達がたとえ貧しくても明るく互いに助け合って生きている様子を見ていると、心の支えや人生の指針としての宗教の力を感じずにはいられません。

マラウイで過ごした2年間は、自分自身の宗教について考える良い機会になりました。彼らのように明確な信仰心を持って生きることの素晴らしさを実感して、私は日本でも教会に通うようになりました。神様を信じる心を教えてくれたマラウイの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

現在私は(公財)富山YMCAで勤務していますが、YMCAは国際青少年団体として世界120の国と地域で約6500万人の会員が活動していて、マラウイにもYMCAがあると聞いています。いつかマラウイのYMCAと交流して、日本の子ども達にマラウイのことをもっと身近に感じてもらいたいなと夢見ています。

【画像】

SENGA-BAY C.C.A.P. SINGERSの一員としてLake of Stars Festivalに出演

次回は、派遣当時マラウイ隊員会会長を務めるなど、皆のムードメーカーだった、平成18年度3次隊 大塚善久さん(村落開発普及員隊員)の思い出の一枚です。