思い出の一枚「マラウイにあるものを使った手づくり運動会」

2021年10月21日

名前:佐藤 健太
隊次:平成17年度2次隊(2005年11月~2007年11月)
職種:青少年活動
配属先:ンチェウユースセンター
出身地:静岡県伊豆の国市

『Matupi olimba…Moyo wautali』『運動すれば、長生きするよ』
そんなTシャツをつくって、マラウイ各地の学校で開催していたのが、我が健康教育分科会主催の運動会です。毎回、他職種の隊員サポートもあり、開催地の隊員宅に雑魚寝していたのが懐かしいです。

日本政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業「スポーツ・フォー・トゥモロー」の数年前から、マラウイでは当時の隊員たちによる手づくりの『運動会』が行われていました。
当時はまだ携帯電話が貸与される前で、事前の打ち合わせは、各隊員宅に備え付けられた無線機。事務所からの夜8時の点呼後に集合日時や場所を周知していました。

『我々がいなくなっても継続してほしい。』
そんな思いから、お金をかけずに、マラウイにあるものを使って、楽しい種目を実施することを心掛けました。
例えば、準備体操では、マラウイソングを使ったエアロビクスを行い、女性隊員がお立ち台に上がり、リズミカルな体操で、初っ端から生徒たちは大盛り上がりでした。
二人三脚リレーでは、不要になったチテンジをハチマキや足を縛る布に使用し、慣れない協同種目に戸惑いながらも『モジ、ウィリ、モジ、ウィリ』の掛け声で、転びあり、笑いありで、これまた盛り上がりました。
協同種目といえば、長縄跳び競争も行いました。マラウイの家庭にある洗濯干し用のヒモを使って、こちらは『モジ、ウィリ、タトゥ、ナイ、サヌ...』と息をそろえて。ただし、引っかかった者が責められるところはマラウイらしいなぁと感じていました。
チーム全員リレーでは、SOBOのペットボトルをバトン替わりに、日本同様、白熱する種目の1つでした。
そして、マラウイ運動会で最も盛り上がったのが、毎回大トリ種目にしていた『綱引き』ならぬ『棒引き』。日本の綱など用意も出来ず、校庭にある木の枝をぶった切ったり、その辺に転がっている棒を使って、先頭の者が握りしめ、2人目以降は腰に手をまわし、互いのチームが引っ張り合うという競技です。トーナメント形式にして勝ち抜き戦を実施。毎回ファイナルゲームは全校生徒が見守る中で行われ、熱気は最高潮になっていました。
閉会式では、優勝したチームメンバー1人ひとりに賞状を渡し、生徒たちがとても喜んでいたのが印象的でした。

運営する我々隊員も、参加する先生&生徒たちも、そして、どこからともなく集まった近所の子どもたちも、みんなが楽しく盛り上がった『運動会』は、マラウイ時代の思い出の1つとなりました。

【画像】

盛り上がりが最高潮に達する運動会の棒引き

次回は、健康教育分科会の盟友17-2青少年活動 古川範英君の奥様でもあり、運動会で十数名の隊員を受け入れてくれた頼れるお姉さん、エイズ対策で17年度1次隊の古川(旧姓尾崎)瞳さんの思い出の一枚です。