思い出の一枚「健康増進イベント 棒引き」

2021年12月17日

名前:川口 純
隊次:平成16年度1次隊(2004年7月~2006年7月)
職種:体育
配属先:ドマシ中等教員養成大学
出身地:香川県高松市

私は南部のゾンバ地区にある教員養成大学に派遣され、中等学校の保健体育教師の養成をしました。大学での講義だけでなく、同僚や他の隊員と一緒にマラウイ全土を回って健康増進イベントも開催していました。隊員が活動している学校や地域を中心に回らせて頂き、健康イベントを楽しむとともに、各地の隊員の活動も見学させて頂きました。

今回の「思い出の一枚」はその時の写真です。

一見、綱引きをしている様に見えると思いますが、綱ではなく、棒を使っています。これはマラウイの方の提案で「綱は直ぐ切れるからダメで、棒ならいくらでも入手出来るから棒でやろう」と言われたことをよく覚えています。今思えば、国際協力の基本的な考え方を教えて頂いたように思いました。

【画像】

各地で健康増進イベントを開催している様子

こちら側から提案したのは、ハチマキの使用です。写真を見て頂くと分かるように、皆さんカラフルなハチマキを付けています。これには理由があり、マラウイではチームが分かるように、1チームがシャツを脱いで裸になります。シャツチーム対裸チームという形にしてチームメイトを認識できるようにするのです。この問題は、女性が運動に参加したくなくなる点です。私たちはハチマキを持参して裸にならないように提案しました。結果的に女性も何人かこの様な運動場面に参加して下さっているのが分かると思います。

この写真では赤チームの先頭の方だけ、言うことを聞かずに裸になってしまっていますが、この方は「わしはこの村の村長だから良いんじゃ」と仰っていました。困りましたが、何とか愛想笑いをして競技への参加をしてもらったのを記憶しています。私は帰国後、研究者となり、大学で仕事をするようになりますが、日本の大学でも年配の男性程、こういう方が多くて、マラウイで愛想笑いの訓練をしていて良かったと感謝する日々です。

それはさておき、隊員時代の活動を振り返ると周りの隊員やマラウイの同僚と一緒にイベントを創り上げていく過程が非常に楽しかったのをよく覚えています。棒引き以外にも、同期の伊佐隊員がしてくれたエアロビクスやマラウイの人にとっては初めての2人3脚リレーがとても盛り上がりました。私たち日本人も一緒に競技をして、文字通り、笑い転げていた日々を懐かしく思い出します。またいつか笑顔をマラウイの皆さんと再会出来ることを心待ちにしています。

次回は、チョロの獣医師だった平成11年度1次隊 大木奈美隊員の思い出の一枚です。