子供も教師も楽しむ体育授業を目指して

2018年度1次隊 勝乘正隊員(小学校教育)

10月3日から5日までの3日間、アリフアリフ環礁ヒマンドゥ島において、現地教員を対象とした体育ワークショップを実施しました。ワークショップには、同島ヒマンドゥスクールの校長先生のご尽力もあり、同環礁内の3校から約30名の先生が参加してくださいました。

モルディブにおいて体育の授業は徐々に浸透していってはいるものの、まだ定着しているとは言えず、多くの学校は手探りの状態で授業を進めているのが現状です。また、教員の入れ替わりが激しく、場合によっては突然体育の担当になる可能性もあるため、今後はより多くの教員が体育の指導技術を身につけることを求められています。
その中で今回は、現地教員が指導するにあたって特に難しさを感じている水泳・器械運動領域を取り上げ、活動の体験、現地教員による授業実施を通して、基本的な体育指導の知識・技術に対する理解を深めることを目的としてワークショップを進めていきました。

初日は、講義形式で「なぜ体育が必要なのか」「安全確保の重要性」「水泳・器械運動の授業実施の目的」について隊員が解説を行いました。2日目から3日目にかけては各領域の活動や指導方法を体験した後、それらの知識・技術を生かして実際に現地教員のみで子どもに向けて体育の授業を行いました。

今回取り上げた活動に関して自身の運動経験が少ない中で、最初は活動に尻込みする先生もおり、決まった先生のみが授業を進めていましたが、2日間の中で少しずつ活動に意欲的に参加しようとする先生が増えていきました。特に最終日に設定した器械運動のミニ発表会では、徐々に指導に熱が入り、多くの先生が安全の確保をしながら手取り足取り子どもを指導していました。発表会直前には全てのグループが自主的にリハーサルをするなど、当初隊員が想定していた以上に先生方が主体的に取り組む姿も見られました。発表終了後、子どもたちだけでなく、先生方も誇らしげな表情をしていたのも印象的でした。

今回のワークショップを通して先生方には指導法の理解を深めてもらっただけでなく、体育授業の楽しさも感じてもらえたと思っています。指導する側が授業を楽しんでいれば、子どもたちも授業を楽しむようになります。そして、その好循環が体育授業の質の向上につながっていきます。

これまでモルディブの体育隊員は任地を中心として、ワークショップを継続して行ってきました。まだまだ課題はありますが、今回のような環礁レベルのワークショップを通して、隊員間だけでなく現地教員とも協力し合いながら、モルディブの体育教育の発展に寄与できるよう活動を進めていきたいと思っています。

2018年度1次隊 小学校教育
ダール環礁 クダフバドゥ島
勝乘 正

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隊員によるJOCVの活動紹介

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アイスブレークの様子

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水泳授業の体験の様子

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先生同士で教え合い

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水難救助について説明

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現地教員による水泳指導の様子

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器械体操体験の様子

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「美しさ」を意識して練習

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授業に向けてミーティング

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現地教員主導の準備運動

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現地教員によるデモンストレーション

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授業中には補助も

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発表に向けての練習

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発表会の様子

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今回ワークショップを実施した4名の隊員

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参加した教員・児童