生徒のためにより良い体育授業を!

2018年度1次隊 谷川原健太隊員(小学校教育)

4月18日、19日、20日の3日間、モルディブ最西端のハーダール環礁マクヌドゥ島において、現地教員を対象とした体育ワークショップを実施しました。ワークショップには、マクヌドゥスクールの校長先生の呼びかけのおかげで、同環礁15校から全47名の教員が参加してくださいました。参加者は各学校で体育に関わっている教員を対象としました。

モルディブが体育に力を入れ始めたのは最近の事であり、ほとんどの現地教員は体育科授業を受けた経験がありません。今回のワークショップ開催の主な目的は、現地教員に体育の基礎的な知識・技術を学んでもらうことですが、特に「安全性の担保」に着目し、教員自らが体育科授業を実際に体験し生徒たちに起こりうる危険を理解し、適切なアドバイスができるようになることを目指しました。また、初めての試みとして生徒の保護者に生徒役として参加してもらい、学校でどのような体育授業が行われているのかを保護者が理解し、保護者と教員の信頼関係を築くことを目指すものです。

内容は、1日目に講義形式で「なぜ体育授業を行うのか」「体育授業の際の教員の役目」「体育授業で行う活動の選び方」を行い、2日目に「体育授業の体験と解説」「指導案の作成」を行い、3日目に「保護者に対する授業と反省」を行いました。
体育授業時のアクティビティーは、モルディブになじみのあるネットボールを簡易化した「Easy Netball」と、日本の小学校でよく知られている「Tee ball」を取り上げました。モルディブで人気のスポーツを簡易化し体育授業に取り入れることができることを知ってもらいたかったこと、新しいスポーツを紹介したかったことを理由に、この2つのアクティビティーを選びました。

1日目、難しい顔をしながら講義を聞いている教員の姿が多く見られ、どこまで理解してもらえたか不安でしたが、2日目の体育科授業体験を通じて現地教員の中から、「危ないから少し離れよう」と安全についての意見が出たり、現地教員同士でアドバイスをし合ったりしている様子が見られました。3日目は模擬授業をしっかりこなし、ポイントを押さえながら反省点を話し合う姿が見られました。ワークショップ終了後、紹介したアクティビティーを実際の体育科授業で試してみたとの声を複数の学校から聞くことができ、今回伝えた内容が現場で活かされていることを実感しました。参加した現地教員が自身の学校に持ち帰り、実践してくれたことを嬉しく思います。
しかしながら、モルディブ全体の体育を改善していくにはまだまだ時間がかかりそうです。JOCVの派遣されている島を中心に、今後もワークショップを継続的に行い、モルディブ体育のより良い今後のために、日々努力していきたいと思います。

2018年度1次隊 小学校教育
バー環礁 ダラバンドゥ島
谷川原 健太

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参加者全員での集合写真

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現地語での講義

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ジョギングのために一列に並んだ様子

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Easy Netballのルール説明

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白熱したEasy Netball

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現地教員を交えながらの授業解説

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8つのチームに分かれて授業案作成

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女性教員によるハンドボールのフレンドリーマッチ

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保護者に向けて現地教員が授業の説明

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手を頭に置くことで生徒たちは騒がずに移動できるそう

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円になっての準備体操

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Tee ballの様子

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モルディブでコミュニケーションを取る大事な時間、おやつタイム(サーボーン)

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模擬授業の反省を各グループで発表

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今回のワークショップを実施した3名のJOCV