モルドバ共和国の首都・キシナウ市と共に「学校給食セミナー」を開催-「食育:SHOKUIKU」のコンセプトを紹介-

2021年9月16日

2021年9月9日、JICAはモルドバ共和国・キシナウ市の教育関係者を対象として学校給食に関するオンラインセミナーを開催しました。本セミナーは、キシナウ市からの要請に基づき、日本が蓄積してきた学校給食システムに関する知識・経験を共有することを目的とし実施したものです。キシナウ市は現在学校給食の改善を計画中であることから本セミナーへの関心は非常に高く、当日はキシナウ市副市長を始めとする市役所関係部局の幹部、各学校の校長や給食センター関係者も含め、約100名の関係者が同セミナーに参加しました。

冒頭、キシナウ市副市長 Ms. Angela Cutaseviciから「日本の知見を学ぶ貴重な機会を与えてくれたJJICAに感謝。モルドバ側の参加者が本セミナーからの学びを実務に活かすことを期待している」とのご挨拶いただいた後、キシナウ市の教育担当局長である Mr. Andrei Pavaloiおよび同局で学校給食システム改革を担当するMs. Coralia Babcencoより、キシナウ市の学校給食システム概要および課題について発表がありました。その中で「学校給食システム改革はキシナウ市の優先活動の1つとして改善に向けた努力が継続されており、栄養を考慮したメニュー作成等、一定の成果が出ている。他方で、食材調達の透明性、調理施設の機材更新、必要予算の確保などの問題に直面している」と説明がありました。

キシナウ市側の発表に続いて、日本側からはJICAの野村専門員および西尾市立花ノ木小学校の丸山栄養教諭より、日本における「食育」の考え方、及びこれを踏まえた日本の学校給食システムについて説明がなされました。野村専門員からは、日本の保健・栄養の推移と現状、子どもの健康を支える栄養施策、給食と食育について包括的な説明があり、丸山先生からは、栄養管理、衛星管理、食材調達、調理、配膳、食育まで、日本の学校給食システム全般について実務的・実践的な情報共有をいただきました。

また、プレゼン後の質疑応答においても活発な意見交換が行われました。キシナウ市側からは、特に「食育」のコンセプトについて多くの質問があり、給食を単なる食事ではなく、健康な食生活を推進するための教育と位置づける日本のユニークな取り組みに大きな関心が寄せられていました。また、本セミナーでは「お互いにそれぞれの学校給食システムに関する情報を学ぶ良い機会となった。特に日本側からの有用な情報共有に感謝する」とのコメントも多く寄せられました。

JICAウクライナFOは、今後も日本の知識・経験を人々の生活向上に役立てるべく、モルドバ側との協力を続けていきます。

なお、セミナー中にも紹介された動画「日本の母子栄養・食育の取組み」(JICA作成)はこちらから御覧いただけます。

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キシナウ市副市長:Ms. Angela Cutasevici

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キシナウ市教育担当局長:Mr. Andrei Pavaloi

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JICA杉本首席駐在員

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キシナウ市・栄養スペシャリスト:Ms. Corolia Babcenco

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グループ写真