開発概要

(1)開発の概況

モザンビークは、16年間に及ぶ内戦が1992年にようやく終結して以降民主化に取り組み、1994年、1999年、2004 年、2009年の総選挙を大きな混乱もなく乗り越え、内政面での安定を達成しました。一方経済面ではIMF、世銀主導の構造調整政策により市場経済化を進め、2001年から2010年の年平均経済成長率は8.1%と、この期間世界でも高いレベルの経済成長を達成しました。このため、モザンビークは紛争終結後の平和構築に最も成功した国の1つと言えます。しかしながら、人口の60%は1日の収入がUS$1.25以下(貧困ライン)の絶対的貧困状態にあり、2010年の一人当たりGNI(国民総所得)は440ドル(世銀統計)と、依然として世界の最貧国の1つです。

(2)開発計画の概要

モザンビーク政府は2011年に貧困削減行動計画(PARP2011-2014)を策定しました。重要課題として3つの柱(1.農業及び水産物の生産性向上と生産量の拡大、2.雇用の創出、3.人材・社会開発)を掲げ、各柱において以下のとおり重点課題を設定しています。

PARPの柱 重点課題
農業及び水産物の生産性向上と生産量の拡大 1)生産における必要な資源へのアクセス改善
2)市場へのアクセス改善
雇用の創出 1)雇用創出への努力
2)雇用人材質の改善
3)需要と供給間の補正
人材・社会開発 1)社会サービスへのアクセスと質の改善
2)基礎社会保障の確立
3)社会インフラ整備

モザンビーク政府は、なかでも雇用の創出と人材・社会の開発(社会保障を含む)によって、MDGs達成に向けて貧困指標を減少させる(54.7%:2009年→42%:2014年)ことを目標に掲げています。