ナミビア共和国はアフリカ大陸の南西部に位置し、大西洋に面する国です。国土の大半は乾燥した砂漠と冷涼な高原で占められています。国内には、世界最古と言われる美しいナミブ砂漠ならびに、野生動物や豊かな自然を楽しめる自然公園などがあり、海外から多くの観光客が訪れます。
ナミビア共和国は、1990年に南アフリカ共和国から独立しました。独立後の民主的かつ安定した政治、健全な財政運営などにより、着実に経済成長を遂げ、所得、教育、保健医療といった面で大きく発展しました。ダイヤモンドやウランという鉱物資源や牛肉等の輸出産業のおかげで、国民一人当たり所得は4,880ドルに達しています。しかし一方で、貧富の格差が非常に大きく、また、若者層の高い失業率という大きな課題に直面しています。
ナミビア政府は、2021年に貧困・経済格差削減促進計画、2017年には第5次国家開発計画を発表し、貧困撲滅、汚職撲滅といったスローガンのもとに安定的な民主国家、経済発展、経済格差の是正を優先課題として取り組んでいます。これに対して我が国はナミビア国の政策に沿って、「持続的な経済成長を支える産業基盤整備」、「地方農村部における貧困削減・生計向上への貢献」を重点分野と位置付けて、協力を進めています。
JICAは2005年より首都ウイントフックに事務所を開設し、様々な協力を進めてきております。海外協力隊については、これまでに小学校教育、PCインストラクター・コンピューター技術、建築・土木、稲作栽培、服飾といった分野で累計163名を派遣してきました。また、専門家による技術協力を通して地方農村部の生活向上支援と共に、経済成長のためのインフラ整備支援を実施しています。
今後とも、ナミビア国の現状と課題に合致した協力を推進すべく、ナミビア政府、在ナミビア日本国大使館、その他さまざまな関係団体と密接に連携していきたいと思っております。JICAの持てる力を総動員して、ナミビア共和国の持続的開発を支援してまいります。
JICAナミビア支所長 星野明彦
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