所長あいさつ

ナミビア支所長
中村 俊介

ナミビア共和国(以下「ナミビア」)は1990年に南アフリカ共和国(以下「南ア」)から独立したまだ若い国です。北はアンゴラ、東北はザンビア、東はボツワナそして南は南アに接しています。国土は日本の約2.2倍もあるのに、人口はわずか220万人というアジア的な感覚からすると人口密度がかなり低い国です。

経済的には、ダイアモンドやウランという地下資源に恵まれ、牛肉や水産物の輸出等もあり外貨を稼いでいることから、国民一人当たり所得は5,700ドルと立派な中進国レベルにあります。しかし、経済は極端に二極化しており、ジニ係数が世界1〜2位と言われるほど豊かな層と貧しい層の差は激しいのです。

人口の約9割は黒人で、その大半が北部出身のオシワンボ族です。この民族が中心となって独立を勝ち取ったのですが、ジンバブエのように白人から土地を取り上げたり追い出したりせず、現在も暴力を伴う人種間の対立はないのです。穏健で融和的な政権運営が行われており、他のサブサハラ・アフリカ諸国とは比較にならないほど治安が良いことは、ナミビアが世界にアピールできる特徴の一つと言えるでしょう。

ナミビアの自然環境の特徴は乾燥地と言うことです。年間の降雨量は平均400mm程度で、国土の大半は砂漠と高原から成っています。アフリカと言ってもナミビアは南部に位置するため、冬場は寒く朝晩は防寒着が必要になります。
世界的に有名な「ナミブ砂漠」や西沿岸の保養地「スワコプムンド」の他、サファリやハンティングを楽しめる自然公園などがあり、年中ヨーロッパからの観光客が大勢訪れています。

さて、ナミビア政府は5年毎の国家開発計画を中期単位とする長期開発計画(Vision2030)を政策の中心とし、中でも貧困削減を重要開発課題としています。これに関連し、日本のナミビアに対する協力としては、「地方農村部における貧困削減・生活水準改善への貢献」と「経済・産業基盤整備」を重点課題とし、この分野に関する協力を実施しています。

JICAは2005年12月に事務所を開設し、ボランティアや専門家派遣等による技術協力を通して人材の育成や地方農村部の振興と地域住民の生活向上支援と共に、インフラ不足解消や経済成長のための整備を目的とした専門家派遣や開発調査を実施しています。
2015年1月に在ナミビア日本国大使館が新設されたこともあり、大使館とも歩調を合わせて上記重点課題に関する協力を今後も推進していく所存です。