所長あいさつ

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右から3人目が鍋屋支所長

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ウエルウイッチア(奇想天外) 鈴木健治氏 撮影

ナミビア共和国(以下「ナミビア」)は、アフリカの南西部に位置する国です。日本ではまだまだ馴染みの少ない国ですが、2012年大晦日の紅白歌合戦で「ナミブ砂漠」からの熱唱が中継されたのを記憶している方も多いのではないでしょうか。ナミビアの年間の降雨量は平均400mm程度で、国土の大半は砂漠と高原から成っています。世界最古と言われる「ナミブ砂漠」には1000年以上も生きるとされる奇妙な植物ウエルウイッチア(和名「奇想天外」)が見られます。野生動物や豊かな自然を楽しめる自然公園もあり、海外から毎年多くの観光客が訪れます。

ナミビアは、1990年に南アフリカ共和国から独立しました。ダイヤモンドやウランという地下資源に恵まれ、牛肉や水産物等の輸出で外貨を稼ぎ、国民一人当たり所得は5000ドルを超える高中所得国に位置付けられています。独立後に民主的な政治、健全なマクロ経済が営まれたこともあり、平均余命、所得、教育といった人間開発指数に大きな改善が見られました。ジンバブエのように白人から土地を取り上げたりせず、現在も暴力を伴う人種間の対立は見られず、穏健で融和的な政権運営が行われています。しかし、ジニ係数が世界1~2位と言われるほど少数の豊かな層と多数の貧しい層に二極化しており、平均で30%、若者層(16~35歳)は40%近い高い失業率という厳しい現実に直面しています。

ナミビア政府は2016年に貧困・経済格差削減促進計画(Haranbee Prosperity Plan:HPP)、2017年には第5次国家開発計画(NDP-5:2017/18~2021/22)を発表し、貧困撲滅、汚職撲滅といったスローガンのもとに安定的な民主国家、経済発展、経済格差の是正を優先課題に取り組んでいます。2017年は我が国の対ナミビア開発協力方針の改定時期にありますが、HPP,NDP-5を踏まえ、「持続的な経済成長を支える産業基盤整備」、「地方農村部における貧困削減・生計向上への貢献」を重点分野とする方針にあります。

JICAは2005年12月に事務所を開設し、これまで125名を超える青年海外協力隊員を派遣し、現在も小学校教育、PCインストラクター・コンピューター技術、建築・土木、稲作栽培、服飾といった分野で活動しています。また、専門家による技術協力を通して地方農村部の生活向上支援と共に、経済成長のためのインフラ整備支援を実施しています。
2015年1月に新設された在ナミビア日本国大使館と歩調を合わせて上記の重点課題に資する協力を推進しています。

ナミビア支所長 鍋屋 史朗