支所長あいさつ
ミクロネシア地域に属するマーシャル諸島共和国は、29の環礁と5つの島で構成され、「真珠の首飾り」とも称される美しいる群島国家です。陸地面積は霞ケ浦と同程度の181平方キロと狭小ながら、210万平方キロの広大な排他的経済水域を有し、近年は地政学上の重要性が高まっています。独-日本-米国の統治を経て1986年に独立、その後は米国との自由連合盟約(COMPACT)のもと、安全保障や財政面等で米国との強い関係を維持しています。一方で、近代史における日本との歴史的関係の名残も、マーシャルの生活文化の中で多く垣間見ることができます。
JICAの協力は、独立翌年である1987年の研修員受入事業から始まりました。1991年には青年海外協力隊(JOCV)の派遣が開始され、これまで約300名を超える隊員がマーシャルで活動しています。これらに加え、JICAは、日本の政府開発援助(ODA)の実施機関として、1)島国特有の「脆弱性」の克服、2)環境保全・気候変動対策を重点課題として位置付け、大洋州地域を対象とした広域協力を中心とした技術協力や、無償資金協力を通じて、保健、環境、教育、漁業、エネルギー、社会インフラなどの分野でマーシャル諸島の発展を支援しています。
2024年 7月には、第10回太平洋・島サミット(PALM10)が日本で開催され、大洋州諸国の「青い太平洋大陸のための2050年戦略」(2050年戦略)に沿った7つの重点協力分野に基づく共同行動計画が日本と大洋州の首脳によって承認され、2027年にはPALM11の開催も予定されています。JICAは、こうした枠組みの中で合意される開発戦略にも沿い、この小さく美しい島国の人々の持続可能な未来と日本との関係強化に役立つ協力を推進していきます。
2026年9月
JICAマーシャル支所長
小林 勤