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算数教育支援:現場と政策をつなぐJICAの取り組み

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs

2025.01.30

PNG事務所では、算数教育の質向上を目指し、海外協力隊員と教育省が連携する取り組みを進めています。
オロ州ポポンデッタ小学校で活動する鈴木佑隊員は、教育省の1・2年児童用算数教科書を作成したチームに対し、現場の課題や改善点をフィードバックし、教科書の更なる活用促進を図っています。

-現場からの声を活かした算数教育の改善-
昨年、オロ州に1・2年児童用の国定算数教科書が配布されましたが、現場では「掛け算や図形の単元が難しい」「問題解決型の問題は難しい」など、学習の進行に課題があることを報告しました。また、多くの学校で教科書が不足しており、児童が1冊の教科書を数人で共有する課題も見られます。

鈴木隊員は、教科書は図やイラストが多く、よくできている。更に児童が理解しやすいように、日本式の教授法を取り入れて、自分で図やイラストを大きな紙に描き黒板に掲示して順番ずつに説明している。また、九九を歌に乗せて覚える方法や、図形の授業では手作り教材の活用、児童が活動しながら楽しく学ぶ工夫など、教科書を使った授業を実践していることを報告しました。これらの取り組みが教科書作成チームに共有され、現場の実情を反映した教材改善や教員研修に向けた議論が行われました。チームからは協力隊員と連携して教科書活用の普及を進めたいと要望も出されました。

-現場と政策をつなぐ連携の力-
今回の活動は、教科書作成チームが現場の声を直接聞く初めての機会となりました。このフィードバックを通じて、教材の具体的な改善点が明確化され、今後の教科書改訂に活かされることが期待されています。さらに、教育現場と政策立案者との連携が強化されることで、持続可能な教育改善が実現に近づいています。

教科書作成チームとの集合写真

1・2年児童用算数教科書と教員用教科書

JICAは今後も、現場と政策を結ぶ活動を支援し、すべての子どもたちに質の高い教育が届くよう取り組んでいきます。

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