日本政府はパキスタンでのポリオ撲滅への支援を継続 経口ポリオワクチンを調達するための4.7億円の無償資金協力

2021年2月12日

イスラマバード、2021年1月:日本政府は、パキスタンへの支援の一環として、ポリオ撲滅のために不可欠な経口ポリオワクチン調達のために約4.7億円の無償資金協力を提供します。

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左上から:古田成樹JICAパキスタン事務所長、アイーダ・ギルマユニセフ代表、左下から:ファイサル・スルタン国家保健サービス規制調整省、松田邦紀大使

この無償資金協力により、ワクチン2,366回分が調達され、ポリオ感染が蔓延している地区に住む5歳未満の子どもたちへ、2021年内の予防接種キャンペーンで必要なワクチンを届けることができます。

無償資金協力のために、日本政府、国際協力機構(JICA)、国連児童基金(UNICEF)の間で交換公文と贈与契約書が交わされました。

国家保健サービス規制調整省のファイサル・スルタン首相特別補佐官は、次のように述べました。「ポリオ撲滅はパキスタン政府の最優先課題です。我々は、世界的な新型コロナ感染により活動が困難な今も、ポリオの撲滅に懸命に取り組んでいます。パキスタン政府は、子どもたちへポリオワクチンを届ける我々の奮闘を支援してくださる日本政府の寛大で継続的な支援に感謝しています。ポリオのないパキスタンを実現し、ポリオのない世界に向けた一歩を共に踏み出せると確信しています。」

JICAパキスタン事務所の古田成樹所長は、「新型コロナ感染のパンデミックにもかかわらず、パキスタン政府の勇敢で弛まぬ努力に敬意を表します。この無償資金協力により、ユニセフのワクチン調達を通じて、JICAはポリオ感染のリスクが高い地域に住む子どもたちを支援します。ポリオ撲滅への道は険しいかもしれません。しかし、我々はポリオのないパキスタンの早期実現のために共に闘います。」と語った。

「昨年3月から7月にかけて、新型コロナ感染のパンデミックにより、3,900万人以上の子どもたちが予防接種を受けることができませんでした。これにより集団免疫が低下し、根絶に向けた我々の歩みが妨げられました。しかし、パキスタン政府は、新型コロナ感染のパンデミックにより活動が難しい中も、ポリオ撲滅のための努力を続けています。」とユニセフパキスタン事務所代表であるアイーダ・ギルマ氏は述べ、パキスタン政府への揺るぎない支援を強調しました。「日本政府からの継続的な支援により、パキスタン政府は、最もワクチンを必要とする地域にワクチンを届け、子どもたちの免疫力を回復し、ポリオ撲滅に向けた軌道に戻します」と彼女は述べました。

パキスタンは現在、ポリオ新規感染者が増加し、撲滅が困難な状況に直面しています。昨年は、バロチスタン州から23例、ハイバル・パクトゥンクワ州とシンド州からそれぞれ22例、パンジャブから14例、合計81件(2020年11月23日)の野生株ポリオの症例が報告されています。ポリオプログラムは、新型コロナ感染により2020年3月から7月まで予防接種活動を中断しましたが、全国の子どもたちへのワクチン接種を7月には再開しました。日本政府は1996年からパキスタン政府のポリオ撲滅プログラムを支援し、日本政府からのユニセフを通じてのパキスタンのプログラムへの支援は、無償と有償を併せ、総額2億2,637万ドルを超えています。

松田邦紀駐パキスタン日本大使は、新型コロナウイルスが蔓延する中、ワクチン接種に携わる最前線のポリオ接種者全員に対し敬意を表しました。さらに、「日本は、ポリオ撲滅という目標において、ユニセフとともにパキスタンの人々を引き続き支援します」と述べました。