引渡式「中期気象予報センター設立及び気象予報システム強化計画」

2021年2月15日

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左から松田特命全権大使、ゴーラム・サルワル・カーン航空担当大臣、ムハンマド・リアズ・パキスタン気象庁長官、古田JICAパキスタン事務所長

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古田JICAパキスタン事務所長

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更新されたイスラマバード気象レーダー塔

2021年2月10日、イスラマバードにて、無償資金協力事業「中期気象予報センター設立及び気象予報システム強化計画」の引渡式が行われ、松田特命全権大使、古田JICA(国際協力機構)パキスタン事務所長及びゴーラム・サルワル・カーン航空担当大臣、ムハンマド・リアズ・パキスタン気象庁長官が出席しました。

パキスタンは大雨による洪水や土砂災害、サイクロン、地震等の自然災害の常襲国であり、とりわけモンスーン期に毎年のように繰り返される洪水被害は、パキスタン全土に大きな被害をもたらしています。
本事業では、老朽化したイスラマバード気象レーダーの更新、イスラマバードとムルタンに高層気象観測(風向・風速)のためのウィンドプロファイラシステムの整備及びパキスタン気象局イスラマバード本局の中期気象予報センター(SMRFC)に、中期予報(3日先から10日まで)を実現するための気象予報解析機材の整備をしました。また、気象レーダーの運用維持管理、各種気象プロダクトの予報業務への反映等に関する技術指導も実施しました。これらに加え、気象データ通信システムを全国6ヵ所のSMRFC及び地方気象事務所に整備することで、各種気象予報プロダクト、気象レーダー画像、気象観測データ等の配信やパキスタン気象局本局と各地方気象事務所間での気象情報交換が可能となりました。
本事業により、パキスタンの気象観測および予警報体制が向上することが期待されます。

引渡式にて、松田特命全権大使は、「我々は、30年前にイスラマバードで古い気象レーダーを構築した先駆者の足跡をたどり、パキスタンの自然災害に対する対処能力の向上について引き続き支援することを約束する。」と述べ、古田JICAパキスタン事務所長は「本事業により精度の高い予報が可能となる。パキスタンにおける自然災害の被害低減に貢献することを期待する。」と述べました。

日本政府とJICAは本無償資金協力を通じて、引き続きパキスタン政府の防災対策を支援します。