引渡式「カラチ気象観測用レーダー設置計画」

2022年3月9日

2022年3月9日、カラチにて、無償資金協力事業「カラチ気象観測用レーダー設置計画」(供与額19.5億円)の引渡式が行われ、在カラチ総領事館磯村総領事、JICA(国際協力機構)パキスタン事務所古田所長及びゴーラム・サルワル・カーン航空担当大臣、サーヒブザード・カーン・パキスタン気象庁長官が出席しました。

パキスタンは大雨による洪水や土砂災害、サイクロン、地震等の自然災害の常襲国であり、とりわけモンスーン期に毎年のように繰り返される洪水被害は、パキスタン全土に大きな被害をもたらしています。
本事業では、老朽化したカラチ気象レーダーの更新を行いました。また、気象レーダーの運用維持管理、各種気象プロダクトの予報業務への反映等に関する技術指導も実施しました。カラチ気象レーダーは日本が協力して整備している気象レーダーのうち南部地域を観測するものです。これに加え既設のイスラマバード、今後敷設予定のムルターン、サッカルのレーダーを合わせるとパキスタン全土の80%以上の範囲を観測することができるようになります。
本事業により、パキスタンの気象観測および予警報体制が向上することが期待されます。

引渡式にて、磯村総領事は、「かつて、30年前に、我々の先輩が支援した旧カラチ気象レーダーへの想いを引き継ぎ、日本は、これからもパキスタンの防災に対する支援を継続していく」と述べ、古田JICAパキスタン事務所長は「本事業により精度の高い予報が可能となる。パキスタンにおける自然災害の被害低減に貢献することを期待する。」と述べました。

日本政府とJICAは本無償資金協力を通じて、引き続きパキスタン政府の防災対策を支援します。

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カラチ気象レーダー

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スピーチをする古田JICAパキスタン事務所長

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引渡式の様子