環境保全型節水農業に基づいたパレスチナオリーブ製品等の品質向上と安定した地域社会の構築

背景と目的

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樹齢約2000年のオリーブの木

オリーブ発祥の地と言われるパレスチナ自治区には、現在も伝統的農法でオリーブを栽培する小規模農家が数多くいます。しかしイスラエルによる占領・封鎖による打撃もあり、多くの農家の生活が困窮しているのが現状です。

草の根技術協力プロジェクトではオリーブ農家の収入向上を目指し、日本国際民間協力会(NICCO)が様々な活動を行っています。プロジェクトを通じ、貧困農家の収入増加、経済的自立、地域社会の安定を目指します。

事業概要

農薬を用いない環境保全型節水有機農法を導入し、トバス県のオリーブ農家による高品質なオリーブオイルの生産とマーケティング・販売を支援しています。この一連の技術移転とサポートに加え、リーダー農家を集めた「トバス聖の木農業組合」の結成を支援し、将来的には農家自身が生産から販売までを行っていけるよう、自立化を促しています。

更に、社会的に地位が低く貧困にさらされやすい女性達の収入創出のため、オリーブオイルを用いた石鹸や加工食品の開発・製造・販売にも取り組んでいます。

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完成したオリーブオイル

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珍しいラクダのミルクを使った石鹸

事業ハイライト

エキストラヴァージン

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ラマラでの見本市に出展する「トバス聖の木組合」

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商品

草の根技術協力によるトゥバス県のオリーブ農家支援では、国際市場でも通じる高品質のエキストラヴァージンオリーブオイルやオリーブ石鹸等の商品開発と販売に成功した。

「保守的な農家がプロジェクトを通じて、伝統的なオリーブ栽培や農業のやり方について徐々に変わっていった。今ではプロジェクトが紹介した有機農法等の手法に確信をもっている」と語るのは、プロジェクトに協力した現地NGOのジャマル氏。

女性組合による石鹸作りでは、パレスチナの伝統的な製法に日本の製法を融合させた。「女性たちはプロジェクト通じて、石鹸作りに関わる技術と会計などのマネジメントの両方を学ぶことができた」とプロジェクトコーディネーターのサファ氏は振り返る。