パナマ共和国における第三国研修「感染症ゲノムサーベイランスに係る能力強化」ミニッツ署名

2022年11月7日

10月26日、パナマ共和国ゴルガス記念研究所(ゴルガス研究所)と国際協力機構(JICA)との間で、第三国研修「感染症ゲノムサーベイランスに係る能力強化」のミニッツ署名式が行われました。

本研修の目的は、域内における新興・再興感染症のサーベイランスに必要なゲノムデータの作成と分析能力を強化することです。ゴルガス研究所は汎米保健機構(PAHO)によりゲノム解析にかかる地域検査拠点の一つとされており、本研修を通じ、中南米地域の研究者によるナレッジシェアリングネットワークの構築をリードすることが期待されます。

本研修において、参加者は、微生物のゲノムサーベイランス、シークエンス、バイオインフォマティクス、系統解析に関する理論と実践を学びます。

JICAは、2023年初頭から4年間にわたり開催される本研修に協力します。本研修には、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアなどからの参加が見込まれ、地域のゲノムサーベイランスネットワークの強化が実現される予定です。

ゴルガス研究所所長 Juan Miguel Pascale博士は、「本研修において、域内の技術者は、次世代シーケンサーとバイオインフォマティクスによる配列解析について知識を深めます」と述べています。さらに、「日本政府とJICAのおかげで、新興の病原体が引き起こす将来の健康問題に対処すべく域内がより強く団結することができます。さらに、本研修は、中米・カリブ諸国間の協力関係の発展や、日本との連携強化につながるでしょう」と強調しました。

署名式に参加したJICAの山田順一副理事長は、「本研修は、我々の生活、社会、経済に多大なる影響を与えたCOVID-19に対処するために2020年に開始したJICA世界保健医療イニシアティブの一環と位置付けられます。本イニシアティブにおいて建設又は拡張された病院によって22カ国、約2億人が裨益し、また64カ国がJICAの資金協力又は技術協力による感染予防・準備の強化による恩恵を受けています」と述べました。

パナマにおいてJICAは、同イニシアティブにより、昨年からゴルガス研究所との技術協力プロジェクトを開始し、ゴルガス研究所の本部及び3つの地域センターへの研究機材の供与、国内サーベイランス体制向上のための日本とパナマの研究者によるセミナーを実施しました。

同プロジェクトにより、パナマ国内の地域センターの1つが「ゴルガス-JICAゲノムサーベイランス研究所」と命名されたことは、とても光栄なことです。

JICAは、今後もゴルガス研究所及びパナマ政府とともに、中米・カリブ地域の人々の健康のためにゲノムサーベイランスシステムの強化に協力していきます。

署名式の様子

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