高濃度フルボ酸を利用した農地改善技術普及・実証・ビジネス化事業

プロジェクト名

(和)パラグアイ共和国 高濃度フルボ酸を利用した農地改善技術普及・実証・ビジネス化事業
(西)Estudio de Verificación Empresarial con el Sector Privado vinculado a los ODS a través de la implementación de técnicas para el mejoramiento del suelo agrícola utilizando el ácido fúlvico de alta concentración en Paraguay.

対象国

パラグアイ国

プロジェクトサイト

イタプア県ピラポ、アルトパラナ県イグアス、コルディジェラ県、カアグアス県、アスンシオン周辺等

協力期間

2019年10月15日~2023年10月30日

相手国機関名

農牧省:企画総局および農業普及局

受益者

農家、特に大豆、トマト、ピーマン、ゴマの生産者

背景

パラグアイ国は、大豆・ゴマ・野菜等の農産物の生産が盛んであり、農業を基幹産業としている。一例として、大豆の生産量は世界第6位、輸出量は第4位(2016、2017年)を誇る。一方、パラグアイ国の経済は、農作物の生産状況と国際価格に大きく左右されるため依然として脆弱であり、中南米の中で経済発展が遅れている国の一つである。また、世界的にも貧富の格差が大きい国であり、特に農村地域で格差が顕著である。パラグアイ政府は、国家開発計画2030の中で貧困削減を戦略の柱の一つに位置付けるとともに、農牧省は「農業戦略枠組み:2009-2018年」において農業競争力の強化や家族農業の開発と食料安全保障等を基本戦略に掲げ、格差是正に取り組んでいる。

しかしながら、パラグアイ国では国土の大部分が塩類集積地であり、農業に適した土地が少ない。また、既存農地の土壌が窒素(N)を含有した化成肥料の多用により強酸性化し、大豆等の収穫量が低下していることに加え、輸入に依存している種子、肥料、農薬等の資材価格の高騰により、農業生産者の就農意欲も低下させている。加えて、政府が推奨する7つの農産品(トマト・ピーマン等)は、高温障害により栽培・収穫期間が従来に比べ短くなっている。

受注者は、2013年から世界及び国内の塩類集積地で提案製品であるフジミン®を利用した除塩技術を確立してきた。2018年にはパラグアイ国にて土壌環境調査を行い、北部チャコ地方における塩類集積や、南東部イグアス・ピラポ地域における赤紫色の土壌(テラローシャ)の酸性化が顕著となっている現状を把握した。更に土壌の化学性調査を行い、土壌pHが極強酸性であることが確認できたことから、試験的に大豆栽培地にフジミン®を散布した。その結果、土壌pHは大豆生産に適した明酸性の土壌となり、大豆の収穫量も前年同時期と比較し、今期は1.5倍に増加したことが確認できた。

本事業では、農牧省の協力の下、南東部イタプア県、アルトパラナ県、西部コルディジェラ県、アスンシオン周辺において、フジミン®を利用した広域での大豆収穫量とその他農産物(ゴマ、トマト・ピーマン)の収穫量調査、収穫物の品質や成分分析及び土壌pH値、EC(電気伝導率)値調査による現地適合性を確認する。また、ビジネス展開計画の可能性を検討するとともに、パラグアイ国の農業の生産性向上と貧困層の生計向上への将来的な貢献を目指す。

目標

プロジェクト目標

農地土壌の劣化によって収穫量が低下している農地に対し、農業の安定性・生産性向上に資するため、受注者が製造する提案製品の現地適合性及び優位性を実証し、同製品・技術の普及方法とビジネス展開計画案が策定される。

成果

投入(施設概要)

日本側投入

相手国側投入

1.MAGはカウンターパートとして、以下の項目を含む必要なサポートを提供するために必要な措置を講じる。

2.MAGは、本事業で取得した製品、技術、ノウハウが軍事目的で使用されない事を保証しなければならない。