ペルーで活躍する日系人 インタビュー

石塚 睦 博士(故人)

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1957年に研究の為、渡秘した天文学者
半世紀以上ペルーにて天文学分野の研究に邁進、「ペルー天文学の父」と呼ばれている

経歴

1930年1月生まれ、日本人
1957年 京都大学-物理学科で博士号取得後、ペルーへ
1972~1979年 国際協力事業団(現国際協力機構) JICA専門家
ペルー地球物理学研究所(IGP)名誉科学研究員
2018年6月 ご逝去

業績

外務大臣表彰(1983年)、国際物理連合(IAU)がXQ1994”ISHITSUKA”惑星と命名(1999年)、ペルー共和国国会表彰(1999年)、国立リマ工科大学名誉教授(2000年)、国立イカ大学名誉教授(2008年)、叙勲-瑞宝小綬章(2009年)、日秘友好議員連盟主催「ペルー日本友好140周年記念行事」にて名誉証書授与(2014年)。

文化無償にてプラネタリウム申請手続きに尽力、2006年に完了した同施設は、Planetario Nacional Peruano-Japones “Mutsumi Ishitsuka”と命名

インタビュー要旨

Q.ペルーに来たときの印象は?

大変なところに来たと思いました。ペルーに朝早く着き、翌日ワンカヨに移動した汽車の中の感じが日本とは違っていたからです。

Q.ペルーの研究所でのお仕事はどうでしたか?

ペルーには太陽コロナ観測の命を受けて行ったのですが、最初は機材もなく、自分で作らなければなりませんでした。観測に適した空が綺麗な場所探しのためにピウラ、トルヒーヨ、アレキパの山奥等ペルー各地を回り、観測所があるワンカヨにコスモス観測施設を作ることになりました。

Q.JICA専門家としても活動されていましたが、どんな活動でしたか?

コロナ観測施設が完成し、日本からも多くの方々が来て観測所の開所式は大々的に執り行われたものの、開所式の翌日から機械を動かす重油がなく、苦労続きでした。その後観測を開始してまもなく、反政府テロ組織に破壊されてしまいました。

Q.現地の人々とのやりとりで印象に残っていることを教えてください。

イカの大学からの科学教室の要望を受け、小さな望遠鏡を使って太陽を見せたら、とても感動してくれて、これをもっと見せたいと活動をはじめました。その関係者が論文を書けるまでに成長していることが本当に嬉しいことです。

Q.今後どんなことをやっていきたいと考えていますか?

教育天文台をつくりたいと考えています。私がペルーに来た当時の驚いた印象から論文を書けるまで成長した若者を見ると、ペルーという国は、やろうと思ったらどうにかなる国と確信しています。私の決心は変わりません。