【ペルーJICA海外協力隊派遣40周年記念インタビュー】vol.6 岡山 陽子 隊員

2020年11月5日

ペルーJICA海外協力隊派遣40周年を記念し、歴代隊員にインタビューを実施しました。

氏名:岡山 陽子
配属先:ペルー日系人協会神内先駆者センター
隊次:2016年度3次隊
任地:リマ市
職種:高齢者介護
派遣時期:2017年1月~2019年1月

1.ペルーの印象について教えてください

首都リマでは、にぎやかで明るいという印象です。鳴りやまないクラクションはうるさいですが、町では、ラテンの音楽が流れ、踊りだす人、歌いだす人がたくさんいてエネルギー溢れる国だなと感じました。リマを離れ、地方に行くと、美しく壮大な自然を目にすることが出来、スケールの大きさと大自然の美しさに心が震えます。アンデスの山々、壮大なアマゾン川、透き通った湖…私は生きていてよかったと思える景色をペルーで何度もみることができました。ペルー料理はとってもおいしいです。食材が豊富なので、食には全く困りませんでした。テンジクネズミのクイや芋虫のスリなど面白い食材もあります。人も自然も食事も魅力いっぱいの国です。

2.活動について教えてください

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日々の活動の様子。現地スタッフと一緒に新聞紙を丸めて棒を作成し、日々のレクリエーションで棒体操を行いました。

配属先はリマにある日系人協会の神内先駆者センターという高齢者のデイサービスセンターでした。一日100名ほどの高齢者がセンターに通っており、主に現地のスタッフとレクリエーションを行ったり、介護の知識や技術の指導を行ったりしました。特に力を入れたのは、認知症ケアの普及です。配属当初は、「認知症=アルツハイマー病」という決めつけや「可哀そうな病気」というイメージを持っている人が多く「認知症」という言葉自体がタブー視されていましたが、勉強会を行ったり、認知症ケアの一つである回想法を実践したりする中で、現地スタッフが正しく認知症について理解し、エビデンスに基づいたケアができるようになりました。

3.当時の隊員の経験が今現在の自分に与えている影響はなんですか

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マチュピチュにて。配属されて初めての休暇でマチュピチュへ!陽がさすマチュピチュは息を飲む絶景です。

ペルーで生活した2年間の中で、貧しさゆえに社会から取り残されてしまう人々を多く目にしました。派遣前は介護福祉士として働いていましたが、ペルーに行って、介護の世界だけでなく、福祉全体の知識、技術をつけたいと思うようになり、現在、生活相談員として老人ホームで働きながら、社会福祉士の資格取得を目指しています。

4.現在ペルーで活動している隊員たちへのメッセージをお願いします

現地スタッフが遅刻しても、約束をすっぽかされても、渋滞で車が全然動かなくても、クラクションがうるさすぎても、レストランで注文したものがでてこなくても、クリーニング店に預けた靴が返ってこなくても、旅行の3日前に航空会社がつぶれて買ったチケット代が戻ってこなくても、寛大であれ。

5.最後にペルーの皆様へのメッセージもお願いします

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送別会にてデイサービスの高齢者の皆さんと。デイサービスの皆さん、配属先の同僚の皆さんが集まってくれ、泣いて笑って踊って、一生忘れられない思い出になりました。

カウンターパートをはじめ、現地のスタッフ、そして500名を超える日系高齢者の皆さん、ホストファミリー、語学学校の先生、皆様のおかげで、素晴らしい2年間を送ることができました。ペルーで過ごした日々は、一生の宝物です。¡Muchísimas gracias!