いつか本当の「ナショナルチーム」になる日を夢見て

2019年5月7日

2018年度2次隊 前田 健登
所属:ソフトボール連盟所属
職種:ソフトボール

活動紹介

こんにちは!私は普段、ペルーの首都リマでソフトボール男女のナショナルチームの指導を行っています。ナショナルチームといってもまだまだレベルは低く、国際大会ではなかなか勝てていないのが現状です。今回は個人的に現在一番力を入れている男子ナショナルチームについて紹介したいと思います。昨年初めて国際大会に出場し現在世界ランキングは47位(48チーム中)とまだまだこれからのチームです。選手の年齢層は14歳から45歳までと幅広く、グランドを離れればみんな良き友人です。先日、そんな男子ナショナルチームの強化遠征としてキューバに2週間ほど行ってきました(3/13~3/25)。というのも、今年7月から8月にかけてなんとリマでパンアメリカン大会(全米大会)が開催されます。4年に1度行われるこの大会は日本でいうアジア大会のようなもので、種目によっては東京オリンピックの選考も兼ねているぐらい大きな大会です。ペルーは開催国として相当な盛り上がりが予想され、ソフトボールナショナルチームもこの大会に向けて日々練習に励んでいます。今回の遠征はパンアメリカン大会に向けて普段国内では試合を行うことが難しいため、キューバの国内リーグに参加し数多くの試合を行うこと、またパンアメリカン大会での対戦国でもあるキューバチームと試合を行うことで現在の自分たちの実力を知るという目的で実現しました。

代表チームではなく草ソフト??

キューバでは天気にも恵まれ計15試合行うことが出来ました。しかし、全試合コールド負けという散々な結果に終わってしまいました。2週間彼らと寝食を共にして改めて彼らのソフトボールに対する意識の低さを痛感しました。技術の問題以前に、エラーをしても笑っている、ミスを他の選手や審判のせいにする、試合に負けても自主的に練習しようとしない等、まるで趣味でソフトボールをしているように感じました。また、選手間同士で励ましあったりすることもほとんどなくチームワークのなさも露呈しました。更には、遠征前に決めたチームの約束事も守ることが出来ず、毎晩行われたミーティングでは選手と言い争いになることもしばしばありました。

今後に向けて

年始から本格的に彼らの指導が始まり早4ヶ月が過ぎました。着任して以来、主に1)準備運動をみんな一緒に行う。2)毎日練習終わりに日替わりで一人が、その日の練習について、チームの雰囲気について話す。3)定期的なミーティングを行い、大会ごとに目標と約束事を決める。4)練習の最後にフィジカルトレーニングを取り入れる。以上4つをチームに取り入れました(1)と4)に関しては現在専門のコーチを中心に行っている)。しかし、まだまだ"やらされている"練習で選手には自主性が一切ありません。ペルーでは自主練という言葉は存在せず、指導者が決めたメニューを何も考えず淡々とこなすだけです。

パンアメリカン大会ではもちろん結果にこだわらないといけないのですが、せっかくの大きな大会、そこに向けて選手のモチベーションを上げていき、もっと本気でソフトボールと向き合わせることが今私に求められていることだと思います。チームの雰囲気は我々指導者の責任が大きいと思います。私自身、他のスタッフと意見の相違が多くあり、もっともっとコミュニケーションを取っていかなければならないなと感じています。1年半後、帰国するまでには、選手が自主的に練習に取り組み、選手間同士で励ましあいながら練習するようなチームになれるようにこれからチーム作りを行っていきたいです。そして、そういうチームになって初めて本当の「ナショナルチーム」として第一歩を踏み出すことが出来ることでしょう。

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