日本人としてできること

2019年12月23日

2017年度3次隊 中尾 智栄子さん(柔道派遣)
所属:体育庁(IPD)タクナ支部
職種:柔道

活動紹介

私は、ペルー最南端に位置するタクナという県で、柔道を指導しています。基本的には小学生のクラスと青年クラスを指導しています。それぞれ、小学生低学年から高学年、中学生から大学生でクラスが分かれており、各2時間くらい行っています。

活動の内容

私の活動の主な内容は、基本指導から競技力の向上に向けた精神面、技術面での指導。柔道を通して、競技に向かう姿勢や、性格上の日本的な礼節や道徳の指導です。

技術に関しては、世界中に素晴らしい指導者たちがたくさんいます。その中で、日本人として、日本発祥である柔道の指導をどう行っていくかと考えた時、クラブの先生の意志もあり、日本の礼節や道徳の指導に重きを置き指導をしようと考えました。

活動を通して学んだこと

国の習慣や文化はそれぞれ。分かっていたつもりでしたが、その違いに慣れることは、とても大変で慣れるのに苦労しました。特に、指導にあたって大変だったのは「時間に対する考え方」、「掃除に関する考え方」でした。

日本では、小さい頃から「◯分前行動しましょう」と教えられ、小学生になると毎日掃除の時間があります。また、学生生活では上下関係があり、そのような環境下で過ごして来た私にとって、ペルーでの活動、また生活でも苦労は耐えませんでした。

活動当初は、開始時間に1人もいないということが普通で、開始時間がすぎてから徐々に来るという状況でした。また、掃除も週1回で拭き掃除のみ。更衣室にはゴミが落ちていたり、柔道着が転がっていたり。そんな状況から、私の活動は始まりました。

今では、掃除をする理由を教えたり、掃除の指導を徹底し続けたおかげか、毎日各クラス1回ずつ、生徒たちだけで掃除ができるようになりました。時間に関しては、活動当初は、遅刻厳禁と指導していました。しかし、生徒たちだけではどうしようもない理由で遅れる事が多かったため、次第に無理に守らせる必要なんてないと感じるようになり、今は多少遅れても受け入れるようになりました。

「日本ではこうだから、こうすべき」と一方的に押し付けるのではなく、その国の文化や習慣を尊重し、考慮した上で考えを提案すること。当たり前のことだが、それができていなかった自分に気づく事ができました。

今後の目標

毎日掃除をするようになったとは言え、更衣室は汚い時があったり、ゴミを溜めていたりと、指導することはまだまだ沢山あります。私の活動期間は残り2ヶ月を切ってしまいましたが、これまで私がお世話になって来た先生方の教えを少しでも、ペルーで伝えていけるよう最後まで指導していきます。そして、この地で学べることをしっかりと吸収して、今後の私の人生に活かしていこうと思います。

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