カンボジア向け無償資金贈与契約の締結:給水サービスの向上を通じた安定的な水の供給による生活環境の改善に貢献

【SDGsロゴ】安全な水とトイレを世界中に

2020年6月2日

国際協力機構(JICA)は、5月29日、プノンペンにて、カンボジア王国政府との間で、「タクマウ上水道拡張計画」を対象として34億2,100万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本案件は、首都プノンペン近郊の人口が急増するタクマウ市において、上水道施設を整備することにより、給水サービスの向上を実現し、タクマウ市及びプノンペン都における生活環境の改善に寄与するもので、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール6に貢献します。

プノンペン都に位置するタクマウ市では、プノンペン都内の浄水場から配水管を接続し給水を行っています。しかし、プノンペン都及びタクマウ市の急激な人口増加に伴い、水需要も増加しており、既存の浄水場の供給能力のままでは給水が困難になっています。このため、タクマウ市内に市独自の浄水場を新規に整備して給水体制を強化し、プノンペン都内の浄水場の負荷を低減することが緊急の課題となっています。

本案件はJICA初の事業・運営権対応型の無償資金協力(*)であり、整備された上水道施設の運営・維持管理にも日本が持つ効率的な運営・維持管理のノウハウが適用されることで、水道料金の引き上げを抑制しつつ、質の高い給水サービスを提供していくことが期待されます。

(*)事業・運営権対応型の無償資金協力:経済便益は高いものの事業採算性が低い官民連携(PPP)事業において、開発途上国政府が事業費の一部を負担することにより採算性の確保が見込まれる事業に対し、無償資金を供与する案件。

JICAは、本案件に加え、技術協力プロジェクト「水道人材育成プロジェクト・フェーズ3」(2012年-2017年)及び、技術協力プロジェクト「水道行政管理能力向上プロジェクト」(2018年-2022年)等を実施しており、今後も同国の水環境整備を包括的に支援します。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 カンボジア王国
案件名 タクマウ上水道拡張計画(The Project for Expansion of Water Supply System in Ta Khmau)
実施予定期間 58ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 プノンペン水道局
対象地域・施設 カンダール州タクマウ市
具体的事業内容(予定) ① 施設整備
浄水場設備(浄水処理能力:約30,000 m3/日)、取水関連設備
② コンサルティング・サービス
入札補助、施工監理