JICAが出資する信託基金“LEAP”を通じた支援(海外投融資):ベトナム最大級の太陽光発電所への融資

2020年10月9日

太陽光発電所(全景)

10月9日、JICAが出資する『アジアインフラパートナーシップ信託基金 (“Leading Asia’s Private Infrastructure Fund”: LEAP)』を活用し、アジア開発銀行(ADB)がベトナムにおける太陽光発電事業への融資契約に調印しました。

本事業は、ベトナム中部のフーイェン省において、257メガワットの太陽光発電事業に対して長期融資を供与するもので、太陽光発電事業として東南アジアにおいて最大級の規模となります。ADBの融資には、LEAPによる融資9.3百万ドルが含まれています。本事業には、スポンサーとしてタイの独立発電事業者大手のB.Grimm Power Public Company Limited及びベトナムのTruong Thanh Viet Nam Group Joint Stock Companyが参画しています。

本事業は、ベトナムで最大級の太陽光発電事業であり、石炭やディーゼル燃料への依存を減らし、よりクリーンな国内エネルギー資源の活用を促進するものです。また、ベトナムにおいて国際的な認証スキーム(Climate Bonds Standard and Certification Scheme)を用いて認証された初のグリーンローンです。事業地周辺のクアンガイ省やニャチャン市といった観光地の電力需要の増大に対応するとともに、年間12万3000トンの二酸化炭素排出を抑制すると期待されています。

LEAPは2015年11月21日に日本政府より発表された「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ施策において言及され、アジア及び大洋州地域の質の高い民間セクターのインフラ案件を対象とし、民間セクターが官民連携パートナーシップ(PPP)等の様々な形態を通じて実施するインフラ事業に対して、出融資による支援を行うものです。 JICAは2016年3月にLEAPに対して15億ドルの海外投融資による出資を承諾しました。LEAPは、アジア太平洋のADB加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターによる幅広いインフラ事業を支援しており、支援対象分野は温暖化ガス削減、省エネルギー、良心的な価格での医療サービス等多岐にわたります。

JICAは今後も各国・国際機関と協働し、「質の高いインフラ投資」を推進し、「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえた開発途上国・地域の経済社会開発に貢献していきます。