ベトナム「ビンズオン省上水道拡張事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):増大する水需要に対応し経済発展に貢献

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2020年11月17日

取水口全景

浄水場全景

国際協力機構(JICA)は、11月17日、ベトナム社会主義共和国のBinh Duong Water Environment Joint Stock Company(BIWASE)に対し、最大800万米ドルを供与する融資契約を締結しました。本事業は「対ASEAN海外投融資イニシアティブ(*)」(2019年11月発表)に資する事業で、アジア開発銀行(ADB)との協調融資により実施されます。

ベトナムは、高いGDP成長率を継続している一方、急速な工業化・都市化の進展に伴う水需要の増加により上水道の整備が急務となっています。本事業の対象であるビンズオン省は、日系企業をはじめとする大規模な工業団地が集積する地域であるとともに、ホーチミン市への通勤者のベッドタウンとなっており、同地域の水需要は過去5年平均で年17%のペースで増大しています。

BIWASEは、1975年に設立し、2016年に民営化した上水道・廃棄物処理事業者で、ビンズオン省の人口の76%に上水道サービスを提供しています。また、JFEエンジニアリング株式会社がBIWASEの株式の3.87%を取得しており、浄水場、下水処理場、廃棄物関連事業における協業を進めています。

本事業において、JICAの融資はタンヒエップ浄水場の拡張整備に活用され、融資対象の既設浄水場の給水能力は約80%増強されます。また、清潔な水の供給により、新型コロナウイルスの拡散を抑制・予防するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール6、17に貢献します。

ビンズオン省では円借款「南部ビンズオン省水環境改善事業」(貸付契約2007年)、「南部ビンズオン省水環境改善事業(フェーズ2)」(貸付契約2012年)を通じて下水道事業の整備を行っており、BIWASEは同円借款事業における実施機関として長期にわたりJICAと良好な関係を構築してきました。JICAはBIWASEのような長年のパートナーと築いた信頼関係に基づき、ベトナムの長期的な発展を今後も支援していきます。

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