日本・インドネシア企業が共同運営予定の国際港・パティンバン港一部完成披露式典の開催:日本企業の技術を活かした急速施工

2020年12月21日

自動車運搬船に輸出用の完成車を積み込む様子

式典で(オンライン)スピーチするジョコ大統領

式典で挨拶をするブディ運輸大臣(中央)・リドワン西ジャワ州知事(左)、石井大使(右)

12月20日、インドネシア共和国西ジャワ州スバン県において、円借款事業「パティンバン港開発事業」で建設が進むパティンバン港(コンテナターミナル、自動車ターミナル)の一部施設の完成と運営開始に伴う披露式典が行われ、自動車運搬船に車を積み込む様子が披露されました。

式典には、インドネシア側からジョコ大統領がオンラインで出席し、現地ではブディ運輸大臣、リドワン西ジャワ州知事等が、日本側から石井正文駐インドネシア日本国大使、小川重徳JICAインドネシア事務所長が出席しました。ジョコ大統領からは、同港での取引を通じた輸出促進への期待が寄せられました。

JICAは、2017年11月にインドネシア国政府との間で1,189.06億円の円借款貸付契約(Loan Agreement:L/A)に調印し、パティンバン港の建設に協力してきました。同港の建設は、近年のインドネシアの急激な経済成長に伴う取扱貨物量の増加に対し、既存のタンジュンプリオク港のみでは対応が困難になるとの見通しから、パティンバンに新港を建設することにより、首都圏の物流機構強化を図り、ひいてはインドネシアの投資環境改善を通じた同国の更なる経済成長に貢献することを目的としています。

パティンバン港の建設には、軟弱地盤改良技術や急速施工技術等、日本企業の持つ高い技術が活用されています。日本企業の技術力と建設に携わった日本企業をはじめとした工事関係者の尽力により、円借款貸付契約から約3年という短期間で自動車ターミナルの一部(約8ha)及び港湾アクセス道路(8.1km)が完成しました。工事の残る先行開港区(自動車ターミナル・コンテナターミナル)の完工は2021年12月頃を予定しています。

同港の運営は、両国政府間にて日本・インドネシアの民間企業による共同運営を行うことが確認されており、この方針の下、現在運営事業者の選定プロセスが進められています。

JICAは、パティンバン港の先行開港区以外の自動車及びコンテナターミナルの建設や泊地・航路浚渫についても、継続的に協力していくことを検討しています。