メキシコ「女性事業者等向けマイクロファイナンス事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):最貧困州における女性事業者の金融アクセスを改善

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2021年3月29日

最貧困州の女性事業者

国際協力機構(JICA)は、3月24日、メキシコ最大のマイクロファイナンス機関Banco Compartamos S.A., Institución de Banca Múltiple(Compartamos)との間で、メキシコの貧困地域で「最貧困州」と呼ばれる地域にあるチアパス州、オアハカ州、ゲレーロ州、プエブラ州を対象に、同国の女性事業者等向け貸付資金として、5,000万米ドルの融資契約に調印しました。本事業は、JICAの海外投融資事業にとって中南米地域で初のマイクロファイナンス支援案件であり、米国国際開発金融公社(DFC)、シティグループとの協調支援案件です。

メキシコは貧富の差が大きく、絶対的貧困層は約220万人と貧困問題は深刻であり、最貧困州における人間開発指数(*1)は同国全体よりも低い水準です。また、同国では成人の約3割が金融サービスにアクセスできていないとされており、金融機関(マイクロファイナンス機関も含む)の進出が進んでいない最貧困州も所在するメキシコ南部では、同比率は約4割と高く、地域間格差是正と金融アクセス改善を通じた貧困削減が課題となっています。

Compartamosは1990年に最貧困州に含まれるチアパス州とオアハカ州の零細事業者向けマイクロファイナンスを行うNGOとして設立され、主な顧客は全国平均を下回る月収の顧客層であり、既存顧客の約9割が女性です。また、マイクロファイナンスにおける顧客保護原則の実行を認証するスマートキャンペーン認証を2014年に取得しています。

JICAによる本融資は、Compartamosによる最貧困州を中心としたメキシコの女性事業者等向け貸付拡大を支援し、女性事業者等の金融アクセス改善に貢献するものです。女性事業者を主な支援対象とし、2018年6月のG7シャルルボワ・サミット(カナダ)にて発表された「G7 2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス」イニシアティブに資する取り組みとして位置づけられます(*2)。また、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール1、5、8に貢献します。


(*1)人間開発指数は、保健、教育、所得という人間開発の3つの側面に関して、ある国における平均達成度を測るための指標です。

(*2)「G7 2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス」イニシアティブは、G7各国の開発金融機関が、自らの資金提供を呼び水に民間の投資を促進することで、2020年までに30億ドルの資金を動員することを目指すものです。女性の企業家やビジネス・リーダーの育成、労働市場への参入促進といった女性の経済的なエンパワーメントを促進します。G7 2Xチャレンジは、女性への投資の量及び効果を倍増させる目標を掲げています。

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