欧州復興開発銀行(EBRD)と海外投融資を通じた連携強化に関する覚書に署名

2021年4月28日

署名式(EBRDピルー副総裁(上)、JICA中澤理事)

国際協力機構(JICA)は、4月28日、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development:EBRD*)と、開発途上国の民間セクターに対する協調投融資促進のための覚書を締結しました。署名は、EBRDのアラン・ピルー副総裁及びJICA中澤理事との間でオンラインにて行われました。

近年、途上国の経済成長を背景として、膨大なインフラ整備や気候変動対策といった経済社会開発のニーズに応えるため、民間セクターの果たす役割がますます重要になっています。このような中、国際開発金融機関は、民間資金を動員しつつ、途上国の持続可能な開発に貢献する民間セクターの活動を支援しています。EBRDは、中欧から中央アジア地域及び南・東地中海地域にまたがる30カ国以上において、開発事業への投融資を行っており、2019年の投資規模は約450案件を通じて約101億ユーロを誇っています。

署名に際し、ピルー副総裁は「本覚書の締結はJICAとEBRDとの長期的な連携を強化、拡大するものである」と述べ、中澤理事も「海外投融資においてEBRDとの協調融資を促進するものであり、早期に新たな協調融資機会を模索していきたい」と今後の展望を語りました。

EBRDとJICAは、2010年に欧州、中央アジア、コーカサスおよび東アジア地域における連携強化に関する業務協定を締結していますが、今回の覚書では、途上国の民間セクター向け投融資業務において長年の実績を有するEBRDとの連携を更に強化し、海外投融資における協調融資の促進に向けてパートナーシップを拡大するものです。持続可能なエネルギーやインフラ、金融包摂、アグリビジネス、中小零細事業者向けファイナンス等の分野を中心に、EBRDとの初めての海外投融資協調融資案件である2016年のモンゴル「ツェツィー風力発電事業」に続く、新規案件の発掘・形成・協調融資を促進し、民間セクターの活動を支援していきます。

JICAは、これからもEBRDとの協力を通じて途上国における開発協力の推進に取り組んでいきます。


(*)EBRDは、中東欧の旧社会主義国及び旧ソ連構成国等において、市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動を支援するため、1991年に設立された、ロンドンに本部を置く開発金融機関。日本はEBRDにとって上位の出資国であり、重要な加盟国の一つとなっている。