ベトナム「クアンチ省陸上風力発電事業」に対する融資契約の調印(海外投融資)

JICA初の同国風力発電向けプロジェクトファイナンス形式での融資

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2021年5月27日

国際協力機構(JICA)は、5月21日、ベトナム中部クアンチ省での総発電容量144MWの陸上風力発電事業に対して、最大2,500万米ドルを供与する融資契約に調印しました。ベトナムの大手地場企業であるPower Construction Joint Stock Company No. 1と、日本の再生可能エネルギー発電事業者である株式会社レノバが出資するプロジェクトカンパニー3社(Lien Lap Wind Power Joint Stock Company、Phong Nguyen Wind Power Joint Stock Company、および Phong Huy Wind Power Joint Stock Company)が借入人となります。アジア開発銀行(ADB)及びオーストラリア政府傘下のExport Finance Australiaとの協調融資です。

本事業は、JICAがベトナムの風力発電事業にプロジェクトファイナンス方式により融資を行う初の事業であり、同国の再生可能エネルギー分野で日本企業及び地場企業をはじめとした民間主体の風力発電事業のモデルケースとして、後続案件形成の呼び水効果が期待されます。加えて、ASEAN域内企業が実施する再生可能エネルギー事業であり、「ASEAN海外投融資イニシアティブ」(日ASEAN首脳会議(2019年11月4日)にて公表)に資するとともに、本邦企業が初めて同国の大型新規風力発電事業に出資を行う案件に対する支援です。

ベトナム商工省によると、同国では2021年から2025年にかけて電力需要が年間8~8.5%増加すると予測され、旺盛な電力需要が見込まれます。また、ベトナム政府は、気候変動対策を講じないベースケースシナリオと比して2030年に9%の温室効果ガス削減を目標に掲げるとともに、具体的な政策によって再生可能エネルギーの導入を促進しています。同政府は、電力供給増加と気候変動対策を両立させるため、電源開発計画では2030年における125~130GWの発電容量のうち約15~20%を再エネ電源とする目標を立てており、このうち国内の山岳部や海岸線に賦存する豊富な風力を活用した風力発電については、2030年までに6,000MW(2030年の発電容量の約5%)を導入する方針です。本事業はSDGs(持続可能な開発目標)ゴール7、13、17に貢献します。

JICAは、今後も民間企業・国際金融機関等と協働し、SDGsの達成を目指します。