バングラデシュ向け開発計画調査型技術協力討議議事録の署名:都市鉄道の沿線・駅周辺開発整備を支援


2021.06.11
2021.06.11
国際協力機構(JICA)は、6月10日、ダッカにて、バングラデシュ人民共和国政府との間で、開発調査型技術協力「MRT沿線の公共交通指向型開発のための政策策定支援プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。
本案件は、ダッカの都市鉄道(Mass Rapid Transit:MRT)沿線における公共交通指向型開発(Transit Oriented Development:TOD)(注)に必要な政策、ガイドラインを作成し、TOD推進に必要な関係機関間の調整メカニズムを構築・運営することにより、計画に基づいた適切な都市開発を推進することを目指し、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール11、13に貢献します。
署名式の様子
ダッカでは、自動車による深刻な交通渋滞が頻発しており、大気汚染が慢性化しています。JICAは2018年に「ダッカ都市交通戦略計画改訂プロジェクト」を通じて、都市交通計画の策定を支援しました。これを受けて、現在、MRT1号線、MRT5号線(北路線)、MRT6号線の3路線の公共交通網の整備が進められており、JICAも円借款で支援しています。しかし、これらの都市鉄道沿線の駅周辺の開発については、許可の申請・承認の手順が明確となっていない、事業者や土地所有者等、利害関係者の調整が困難であるなどの課題があります。また、TODを推進する上で政策の立案・実施に係る関係機関との調整が円滑に進んでいないといった課題もあります。本案件は駅を中心とした街づくりに必要な政策を作成し、バスなど他の交通機関への乗り換えの利便性などを踏まえた計画的な都市開発の推進、関係機関間の調整メカニズムの構築・運営を支援するものです。
(注)鉄道駅等の公共交通拠点の周辺に都市機能を集積し、自家用車に依存しないコンパクトな都市開発を目指す取り組みのこと。
案件の詳細は以下のとおりです。
国名 | バングラデシュ人民共和国 |
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案件名 | MRT沿線の公共交通指向型開発のための政策策定支援プロジェクト |
実施予定期間 | 36ヶ月 |
実施機関 | 首都圏開発庁(Rajdhani Unnayan Kartripakkha:RAJUK) |
対象地域 | ダッカ首都圏、都市鉄道1号線、5号線(北路線)、6号線沿線 |
具体的事業内容(予定) | 短期専門家の派遣や研修実施を通じて、ダッカのMRT沿線におけるTODに必要な政策やガイドラインを作成し、TOD実施のための調整メカニズムを構築・運営する。 |
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