インドの聖地に日印友好の証が誕生:モディ首相も出席「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」完成式典の開催

2021年7月19日

センター外観

センター入口

菅総理大臣ビデオメッセージ

モディ首相スピーチ

7月15日、インド北部ウッタル・プラデシュ州(以下、UP州)ヴァラナシ市において、無償資金協力により建設された「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」の完成式典が行われました。インド側からはナレンドラ・モディ首相、ヨギ・アディティヤナートUP州首相らが出席、日本側からは菅総理大臣がビデオメッセージを寄せるとともに、鈴木在インド日本国大使、松本JICAインド事務所長らが出席し、センターの完成を祝いました。

「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」は、ヴァラナシ市において、人的・文化的交流の促進の拠点として整備が進められたもので、JICAは無償資金協力を通じて協力を行ってきました。モディ首相は、叡智の象徴となるよう願いを込め、このセンターに、「ルドラクシャ(Rudraksh=「菩提樹の実」の意)」との愛称を付けました。

モディ首相は、式典で「日印関係は、戦略的にも経済的にも、世界で最も良い二国間関係であり、インドの発展において日本は常に最も信頼できるパートナーです。この『ルドラクシャ』と名付けたヴァラナシ国際協力・コンベンションセンターは、新しいインドの建設のための力の源となります。『ルドラクシャ』を得て、ヴァラナシは世界の芸術、文化、ビジネスの中心となるのです。『ルドラクシャ』は新しい発展の中心になります。この『ルドラクシャ』の建設にご尽力頂いた日本国民の皆様、日本政府の皆様に感謝します。」と述べ、日本政府及びJICAに対する感謝の意を表明しました。

菅総理大臣は、お祝いのビデオメッセージを寄せ、日印友好の証として建設された「ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター」の完成に祝意を表し、同センターが、国際会議や、文化・芸術行事などの開催を通じ、緊密な日印協力の舞台として用いられ、日印友好の新たなシンボルとなることを期待する旨述べました。また、「特別戦略的グローバル・パートナーシップ(注1)」の下、グリーン、デジタル、サイバー、保健、連結性強化(注2)などの協力をはじめ、日印関係の更なる発展に取り組んでいく旨述べました。

ヴァラナシ市は、ガンジス川に臨み、約 3,000 年の歴史を持つ世界最古の都市の一つで、ヒンドゥー教及びジャイナ教の聖地です。聖なる都市ヴァラナシに日本の支援でヴァラナシ国際協力・コンベンションセンターが建設されたことは日印関係において大きな意義を有し、両国の長きにわたる信頼の証と言えます。また、同センターは、省エネ等を含む日本の最新の技術を用い、優れたデザイン性を備えた建物となっています。

今後、完成したセンターが文化交流、学術会議や市民の様々な活動に有効に活用され、国内外の人的・文化的交流の促進、観光分野の振興を通じた産業競争力の強化に寄与することが期待されます。


(注1)2015年に署名された日印両国首脳による共同声明。2025年のインド太平洋地域の平和、安定、発展のために、政治・安全保障・経済・文化等の様々な分野でともに取り組んでいくことを約束したもの。

(注2)「連結性の強化」とは、港、空港、道路、鉄道などのインフラを整備して国内外の都市や拠点をつなぎ、地域として成長を支援することで、地域全体での人や物の流れを活発にし、社会全体を活性化させることを指す。