カンボジア「コンポンチュナン太陽光発電事業」に対する融資契約の調印 (海外投融資):増大する電力需要及び気候変動緩和に貢献

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2021年8月26日

国際協力機構(JICA)は、8月25日、カンボジア王国のPrime Road Alternative (Cambodia) Company Limitedに対するプロジェクトファイナンスによる融資契約を締結しました。本事業は「対ASEAN海外投融資イニシアティブ(*)」(2019年11月発表)におけるグリーン投資促進に資する事業です。スポンサーはタイ企業Prime Road Alternative Co., Ltdで、本事業はアジア開発銀行(ADB)、国際金融公社(IFC)、ノルウェー開発途上国投資基金(Norfund)及びタイ輸出入銀行(Thai EXIM)との協調融資により実施されます。

カンボジアは、堅調なGDP成長率を継続している一方、経済成長に伴い、2003年から2018年の電力需要が年平均18%増加しており、国内電源の拡張が急務となっています。カンボジア政府は、国内の電力供給体制を強化するために独立発電事業者(IPP)による国内電源開発を奨励しており、水力発電や火力発電のみならず、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの推進により、電源多様化を推進しつつ、引き続き急増が見込まれる電力需要に対応することを目指しています。また、本事業は太陽光発電事業であり、温室効果ガス削減の効果が期待されるとともに、発電単価が3.877cent/kwh(1キロワットアワー当たり約4.1円)と廉価な電力が供給される予定であることから、カンボジアの電力料金低減の効果も期待されます。さらに、本事業は、カンボジアでは前例の少ない大規模太陽光IPP事業であり、JICAを含む開発金融機関が同国におけるモデル案件としてプロジェクトファイナンスにより融資を行うことにより、民間事業者による後続類似案件への投資の呼び水効果が期待されており、今後同国における太陽光発電事業の普及にも貢献するものです。

本事業において、JICAの融資は、日射量が豊富で需要地のプノンペンにも近いコンポンチュナン州における太陽光発電所及び関連設備の建設・運営に活用され、カンボジアの電力供給の増加、電源多様化、気候変動影響の緩和を促進することにより、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール7、13、17に貢献します。