ブラジル向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:新型コロナウイルス感染症の検査・診断、ワクチン開発等の研究機関の強化を支援

【SDGsロゴ】すべての人に健康と福祉を

2021年9月21日

国際協力機構(JICA)は、9月17日、ブラジル連邦共和国と技術協力プロジェクト「新型コロナウイルス感染症に対する組織的能力強化プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)を署名しました。

ブラジルは世界的に新型コロナウイルス感染症の感染状況が深刻な国の一つであり、2021年9月16日時点で累計死者は58.9万人に達しています。このような状況下、感染症対策に係る保健医療・研究機関の能力向上の支援が急務となっています。

本事業は、ペルナンブコ連邦大学・ケイゾアサミ免疫病理学センター(LIKA)及びオズワルドクルス財団(FIOCRUZ)の新型コロナウイルス感染症の検査・診断、治療及びワクチン適応・開発並びに病態生理学に関する能力向上を図ることを目的に、資機材及び試薬の供与と技術支援を行うものです。LIKAは、ブラジルのペルナンブコ連邦大学に属する研究機関として過去にJICAの技術協力で設立されており、免疫学を専門とした研究を進めています。また、FIOCRUZはブラジル保健省傘下の国立研究機関として、疫学研究や公衆衛生活動に係る人材育成、ワクチンや診断薬の開発・製造等を担っています。本事業は、JICAが新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた保健医療分野への取り組みとして掲げる「JICA世界保健医療イニシアティブ」に合致するものであり、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3に貢献します。

JICAはLIKA及びFIOCRUZに対して、免疫学や感染症対策、麻疹・ポリオワクチン生産・品質管理等の技術協力を長年にわたり行ってきました。本事業はブラジル国のCOVID-19に関わる研究機関の能力強化に資するものであり、我が国とブラジルの更なる関係強化が期待されます。

【案件基礎情報】
国名 ブラジル連邦共和国
案件名 新型コロナウイルス感染症に対する組織的能力強化プロジェクト
実施予定期間 2021年9月~2022年3月
実施機関 ペルナンブコ連邦大学・ケイゾアサミ免疫病理学センター(LIKA)及びオズワルドクルス財団(FIOCRUZ)
対象地域 ペルナンブコ州及びブラジル国
具体的事業内容(予定) ペルナンブコ連邦大学・ケイゾアサミ免疫病理学センター(LIKA)及びオズワルドクルス財団(FIOCRUZ)を対象に、プロテオミクス解析用機器や遠心分離機、セルソーター等の新型コロナウイルスの検査・診断や治療及びワクチン開発等のために必要な資機材及び試薬の供与、分析・検査のために必要な資機材活用に係る技術支援を行うことにより、新型コロナウイルスの検査・診断、治療及びワクチン適応・開発並びに病態生理学に関する能力向上を図るもの。